2011年12月29日木曜日
(1325)読了63冊目:「森の回廊」
副題は「ビルマ辺境 民族解放区の1300日」、著者は吉田敏浩、1995年9月・日本放送出版協会発行、494頁、定価2500円。1985年3月から88年11月までの1300日の間、ビルマ北部のシャン州、カチン州の森を民族民主戦線の兵士とともに行動を共にした。軍服を着ていたが、武器は持たず、従軍記者の立場だ。タイ北部のメホンソンからビルマに入り、シャン州の山岳地帯を北上してカチン州に入った。プーターオ近くまで山林の中を徒歩やゾウに乗って北上、各地の民族民主戦線の部隊と合流しながらビルマ政府軍と戦闘を交えた。単なる戦記ものではなく、カチン人、パラウン人、カレニ人、カレン人、シャン人、パオ人らが、それぞれ山の民の誇りを抱き、氏族社会の枠組みの中、焼畑に糧を求め、精霊を敬い、独自の文化を守り、心豊かに暮らしていた。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
スーチーさんのような人物が、現地の信頼を得て、政府との仲介に当たる…ということにならないかな。
返信削除K.A.
k.a.さん
返信削除スーチーさんはビルマ族であり、ビルマ族に対する少数民族の怨念は深か過ぎる。日本が敗れ、スーチーさんの父アウンサン将軍が各民族の自治独立を約束したことも障害となっている。時間がかかりそうです。(N)