2011年12月17日土曜日
(1313)読了59冊目 「風ともに」
標題の「風とともに」の作者はルドゥウーフラ、訳者は河東田静雄、勁草書房・1982年10月発行、235頁、定価1494円。著者は作家、新聞(ルドゥ)社主。彼自身が刑務所にいて、多くの囚人たちに取材した話を、刑務所入り絶無を願いつつ小説化したもの。話はイギリス統治時代から、日本軍の占領時代、戦後のイギリス軍政、独立後の内乱という、ビルマの歴史の中でもっとも苦難に満ちた時代に少年期・青年期を迎えた主人公マウンニョーの半生を描いている。彼が1942年4月、14歳のとき日本軍のマンダレー空襲に遭遇したり、最愛の妻が溺死したことが一つずつきっかけとなり、彼は刑務所に何回も入ったり出たりした。そして常に迷いながら一見陽気に振舞う。その時々のビルマの社会風景、家族関係もよく表現されており、そして、全般にわたり、「何が彼を窃盗常習犯にしたのか」を問いかけている。
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これ、お送りする前にパラ読みしましたが
返信削除(全部読もうとすると何カ月かかるかわかりませんので)
とても胸にせまる内容でしたね、、、
ビルマを取り巻いて来た歴史的背景に沿って描かれているあたりも、貴重な資料になるかと思います。
それに、実話をもとにしているんですよね?
生半可な気持ちでかわいそうだなどと言うことがはばかられますね、、、
stさん
返信削除歴史的背景に沿って描かれている上、日本軍の空襲を受けた側のビルマ人が書いた貴重な資料といえますね。