2011年12月14日水曜日

(1310)ビルマ新政府の「民主化」はどこまで本物か

 岩波書店発行の雑誌「世界」1月号の314頁に根本敬氏(上智大学教授)の論説が標記の題目で掲載されていたので概要を記す。新政権が発足して8ヶ月、スーチー氏との対話、ミッソンダムの工事中止、NLDの政党登録、検閲体制の緩和など表面的な変化は大きい。しかし、①アセアンとしては独自に議長国就任を早期に決定し、米国の今後の介入を防ぐ。また、米国はビルマと中国、北朝鮮の関係を封じ込めたい意向。②2008年憲法によって国軍による新しい形の国家支配体制が完成しており、軍支配は揺るがない。③公職から引退したはずのタンシュエ元議長が、「軍評議会」を組織し、影響力を行使している。④少数民族への人権侵害が続いている。⑤スーチーさんが選挙で当選した場合は党籍を離脱しなければならず、国会審議内容の公表も無理。⑥日本からの経済援助も中断されるリスクがある。

4 件のコメント:

  1. 先日の、根本先生が出演された「視点・論点」でも「ミャンマー民主化は本当か」というタイトルでした。

    本物だといいですね、、、!

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  2. stさん
    新政権が「憲法護持」の姿勢なのか否かが気にかかります。またタンシュエ元議長が「軍評議会」のトップである以上不安です。でも後2・3年は今の民主化指向で進むのでは?
    そして3年後には、クーデター??(N)

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  3. あなたの記事のおかげで...

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  4. 匿名さん
    ありがとうございます。(N)

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