2011年12月7日水曜日

(1303)読了57冊目 「ビルマ現代政治史」

  正式には「ビルマ(ミャンマー)現代政治史・増補版」(第三世界研究シリーズ)という。著者は佐久間平喜(ひらよし)氏。1993年8月増補版、勁草書房発行、255頁、定価2472円。著者は(1273)の「ビルマに暮らして」でも紹介したように、十四年間もビルマの日本大使館に勤務しており、ビルマの政治に詳しい。前回の書評では「至福の書」と書いたが、今回のは一転して学術論文的な書き方である。第1章:ビルマ国軍の歩み、第2章:ビルマ式社会主義路線、第3章:ビルマの非同盟・中立政策とあり、それぞれがさらに数項目ずつに細分されている。日本とビルマの関係は、軍事政権時代といえども良好であり、親しみを感ずる国であるが、その根本的な政治的関わりを著者はよく解説している。多くの参考資料も記載されており、民主化時代を迎えるビルマの現代史を語る上で、最高級の参考書といえるだろう。

2 件のコメント:

  1. よく整理された立派な書物のようですな。
    発行されて18年なので、そろそろ増補、改訂版
    が必要なのではないのかしら…?
    K.A.

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  2. k.a.さん
    ご指摘の通り、よく整理された書籍ですが、やや難解なのが玉に瑕、史実に忠実に書くと、どうしても硬い文章になるようです。(N)

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