2010年3月31日水曜日

(689)NLD 選挙不参加のデメリット

(2010年3月31日)
  ビルマのNLDは29日軍政主導の総選挙をボイコットして解党する方針を決めた。この決定はNLDとしては参加してもマイナス、参加しなくてもマイナスという状況下での苦渋の決断であったと思う。党内には一部に参加論も出ていたが、カリスマ的リーダーであるスーチーさんが、いち早く不参加の方針を打ち出したので、全員一致で不参加を決めたのだ。選挙法では5月上旬までに選挙委員会に登録するように義務付けており、応じない場合は解散を余儀なくされる、そして解散すると全資産は政府に移されると定めている。NLDの場合全国に約300の拠点を持つが、、解党すると、自前の事務所や電話などの備品類や資金などが押収される恐れが高い。また解党後、軍政は非合法を理由にメンバーの活動を禁じる一方、活動拠点や資金も奪うことで、NLDは壊滅するであろう。タンシュエ議長の高笑いが聞こえてくる。

2010年3月30日火曜日

(688)NLD総選挙に不参加 民主化つまずく

(2010年3月30日)
  ビルマ民主化運動指導者スーチー氏が書記長を務める国民民主同盟(NLD)は29日ヤンゴンの党本部で中央執行委員会を開き、軍事政権が年内に予定している総選挙は「公正さを欠く」として全会一致で不参加を決めた。最大の民主化勢力が参加しない総選挙の正当性を欧米諸国が認める可能性は低く、軍政主導の「民主化プロセス」は大きくつまづく。一方NLDは5月上旬に政党としての地位を失うことになる。スーチー氏が不参加を主張した背景には「軍政主導の総選挙の不当性を強調することで、選挙結果を認めないという国際世論を形成し、軍政に圧力をかける戦略がある」との声があるが、軍政が国際圧力に屈したことは無い。米国のオバマ政権は「選挙に正当性がない」との立場を強め、追加制裁を求める声が強まるのは必至。国連も無力感を深めており、中国・ロシアは「選挙は国内問題」としている。

2010年3月29日月曜日

(687)ビルマ今週のニュース(1012号)

(2010年3月29日)  
BURMAINFOのニュース(1012号)から抜粋。 ★スーチー氏は23日NLDは総選挙に参加するための政党登録をするべきではないとの個人的見解を発表。またNLDは選挙関連法が当局により一方的に制定され、正当性に欠け、内容も自由・公正でないとしてビルマ最高裁に訴えを起こした。最高裁は管轄権を持たないという理由で訴えを却下。 ★政党が選挙に関する出版物を出すには、50万チャット(約500ドル)の保証金を払い検閲局の許可を得る必要がある。軍政や国軍に批判的な内容は禁止され、違反すると保証金が没収される。 ★国連安保理では選挙関連法について協議、事務総長は「政府はすべての関係者が選挙に参加できる環境を作りださなければならない、残念だ」と。 ★キャンベル国務次官補は、イラワジ誌に対し「政党登録法には深く失望している。選挙の信用性を欠くことは必至」と述べた。

2010年3月28日日曜日

(686)選挙後の国政、軍が関与示唆

(2010年3月28日)
  3月27日はビルマの国軍記念日、首都ネピドーでその式典を開いた。今朝テレビを見ているとネピドーの街にはシュエダゴンパゴタそっくりの黄金色に輝くパゴタや、道路(片道11車線?)、スーパーマーケットなどの様子が映りだされていた。一見したところ人も車も少なく、首都というにはまだまだという感じ。タンシュエ議長は「国軍は必要であれば、いつでも国内政治に関与する」と明言、民政移管後も軍が政治に関与し続ける意向を示した。議長は選挙後公職から退き、後任は、№3のトゥラシュエマンを中心に、USDAトップのテイウー農業灌漑相らが支える体制への移行が噂されている。一方選挙への動きが本格化しており、既に二つの政党が登録し、USDAが3つの政党の登録を検討、大小20前後の政党が登録予定。スーチー氏率いる国民民主連盟は29日に協議するが、スーチー氏自身は登録に反対中。

2010年3月27日土曜日

(685)スーチー氏の排除 明確に

(2010年3月27日)
  ビルマ総選挙の関連法に盛り込まれた政党参加や選挙権などの除外規定について、軍事政権が日本政府に対し、自宅軟禁中のスーチー氏も対象になると説明したことが26日の岡田外相の記者会見で明らかになった。スーチー氏や投獄中の多数の民主化活動家の排除を鮮明にした軍政に対し、岡田外相は「わが国の期待とは明らかに異なる」と非難、国際社会も今後選挙結果を受け入れない可能性が出てきた。日本政府は、開かれた選挙が行われた場合には支援を拡大する方針を軍政に伝えていたが「今の状況ではそういったことにならない」との考えも伝えたという(27日の朝日新聞)。軍政側が自分流の選挙を着々と進めており、もはや引き返すことは考えにくい。それに引き換え、国際社会はあいも変わらずスーチー氏や収監中の2100人の民主化活動家の釈放を要求し続けている。これでいいのかな。

2010年3月26日金曜日

(684)「2010年までに2100人」キャンペーン

(2010年3月26日)
  ヒューマン・ライツ・ウオッチはアメリカ国籍のビルマ人ニーニーアウン(別名:チョーゾールイン)氏が釈放されたことに関連して、「これは軍政が態度を軟化したと見るべきではなく、選挙を有利に進めるための切り札として政治囚を利用するビルマ軍政のいつものやり方の一環でしかない」と発表。さらに「氏の釈放によって、ビルマに対して国際社会が一致して強く働きかけることの有効性が示された」と。軍政が3月10日に公表した選挙法には、政治囚が政党に属することを禁ずる規定があり、NLDのスーチー氏のほか400人の党員、さらにはミンコーナイン氏やザーガナ氏らもこの規定に当てはまる。ヒューマン・ライツ・ウオッチは、ビルマで現在収監されている約2100人の政治囚全員の即時無条件釈放を求めるキャンペーン「2010年までに2100人」を行っている。私もこのキャンペーンは必要と思うが効果は?

2010年3月25日木曜日

(683)久振りにマニフェスト論 自分史は順調

(2010年3月25日)
  あるビルマ人から「この一両日呟いていないんですか」とのメール。私は毎日呟いているつもりだったので、「呟いているよ」と返事しようと思ったが、念のため調べてみると2日間呟いていなかった。毎日毎日2年間近く呟いて来て、呟くことが習慣化してる筈なのに残念、どうしたのだろうか? 実はこの一週間ほど他人には言えない問題を抱え、頭の中が回らなくなっていたのだ。この問題は最近やっと目鼻がつきだし精神的にホッとして来たが、公開は5年後になりそうだ。さて最近の私のマニフェストであるが、自分史が比較的順調である。小生の生まれたときの新聞記事から始まり、家系、幼稚園、小学校、中学校(空襲)、横浜工専、ライオン研究部、同広報部時代が終わり、現在は食洗協、みんがらネットワーク時代に入っている。できるだけ文章を減らして、写真で語らせている。5月末完成の予定だがどうなるかな。

(682)スーチーさん 総選挙「参加に反対」

(2010年3月24日)
  国民民主連盟(NLD)のスーチー書記長は、23日総選挙への参加について反対の意思を表明した。スーチーさんは「不当な法律下での総選挙に向けた政党登録は考えることすらできない」と述べたが、最終的には党の決定に任せるとした。NLDは29日に党内で協議し判断する。ただ若手の党員の間には、総選挙に参加し、議席を一つでも確保した方がその後の民主化運動に有利だとの意見もあり、最終的な意見集約ができるかどうかが注目されている。NLDはスーチーさんを除籍して総選挙に参加するか、政党登録を受け入れずに政党活動の路を閉ざすか、厳しい選択を迫られている。私も迷うが日本を始め世界各地にいる民主活動家が頼る中核的政党グループの存続は必要と思うようになった。もしビルマでNLDが消滅したら、各国各地のNLDや民主化グループも自然と弱体化するであろう。苦難の道は続く。

(681)手錠・腰縄付きの姿は見たくない

(2010年3月23日)
  手錠・腰縄付きの容疑者の姿がよくテレビで放映されている。このような姿は一般の人には見せたくない姿だ。私はビルマ人関係の裁判を時々傍聴するが、入廷する際は見たくない姿を見せられていた。最近は栽培員制度が出来て改善され、入室手前で手錠・腰縄を解かれると聞いたが、通常の裁判のときはどうなっているのかしら。また入管に長期収容されるとどうしても体調を崩す。時に外部の病院で診察を受けるときもこの姿である。何も知らない一般の人は、凶悪犯と誤解するかもしれないし、多くはギョッとして注視するだろう。今日の新聞によると強制送還途中のガーナ人がエジプト航空でカイロに向かう予定だったが、機内でぐったりしたので入管職員が救急車で空港内の病院へ搬送し、司法解剖して死因を調べるとあったが、たぶん極度のストレスが溜まった結果と思う。入管収容者の人権を重視して欲しい。

2010年3月22日月曜日

(680)難民受け入れ 「第三国定住」試行を生かせ

(2010年3月22日)
  昨日の朝日新聞の「私の視点」欄に難民支援協会事務局長代行の石井宏明氏からの投書が掲載されていた。見出しは「難民受け入れ 『第三国定住』試行を生かせ」というもので内容は3つの提言の形をとっている。第一は今回の第三国定住案がすべて政府内の議論で終始しているが、難民や支援団体など関係者の意見を反映してほしい。第二は今回の第三国定住が試行であるならば、その成功の指標を明らかにすべきである。第三は自力で日本にたどり着いて申請した難民と、第三国定住難民との公的支援の格差をなくすべきである。大多数の難民への対応を現状で放置したままで、一部の難民のみを優遇しても国際社会の期待に応えているとはいえない。以上が提言の要点であるが、3点とも同感だ。特に三番目の支援の格差をなくすことは本ブログの(634)でも論じた。この提言に対する政府の答えは?

2010年3月21日日曜日

(679)軍政 少数民族に包囲網

(2010年3月21日)
  軍政は総選挙に向けて少数民族の武装勢力に対する圧力や攻勢を強めている。今日の朝日新聞には「軍政、少数民族に包囲網」、「ミャンマー、武装勢力の編入要求」、「交渉進まず衝突の恐れ」などの見出しが出ていた。軍政は武装勢力に対して国軍への編入を要求。交渉のかたわら武装勢力の拠点付近で兵力を増強していると見られ、新たな軍事衝突への懸念が高まっている。軍政は1989年以降カレン族を除く17の主要な少数民族との停戦にこぎつけたが、そのうち武装解除されたり、警備隊への編入を受け入れた民族は9。ワ族を最大勢力とする残り8民族の動向が、今後のビルマ情勢の鍵を握っている。以上が概要だが、ビルマ問題は私が常々論じてきたように、スーチー氏の民主化運動と同時に、完全自治を願望する少数民族問題が介在しており、今秋の総選挙を目指して軍政の圧力が高まっている。

2010年3月20日土曜日

(678)ビルマ今週のニュース(1011号)

(2010年3月20日)
  BURMAINFOのニュース(1011号)から抜粋。 ★軍政は先週、今年実施予定の総選挙に関する五つの法を発表。立候補資格を認定する権限を持つ選挙管理委員会の委員17人が軍政により任命された。委員長は最高裁副長官。政党登録法の下では、有罪判決を受けた者は政党の党員にはなれず、NLDは書記長のスーチー氏など有罪判決を受けた党員を除名しなければ政党としての資格を失う。さらにNLDを含めた既存の政党が存続するためには5月5日までに選挙管理委員会に登録しなければならない。これら選挙法についてスーチー氏は「不当な法律について国民や政治勢力は結束して対応しなければならない」と。 ★軍政は11日、選挙関連法の制定に伴い1990年に行われた総選挙の結果を無効にすると宣言。 ★軍政は18日ビルマ出身で米国籍を持つ民主化活動家ニーニーアウン氏を解放。

2010年3月19日金曜日

(677)ビルマに関するボランティア活動

(2010年3月19日)
  ビルマは、国境地帯で散発的な戦闘状態が続いており、世界最貧国の一つとなっている。このため、日本人有志によるボランティア活動が活発である。身近な例として在日ビルマ人への日本語教育に励んでいる「ミンガラ日本語教室」の講師20人がおり、「在日ビルマ難民たすけあいの会」の数人の日本人幹部も立派な存在だ。たまたま昨日の朝日新聞の「人」欄に認定NPO法人「世界の子供にワクチンを・日本委員会」事務局長の新井俊郎さん(59歳)のことが紹介されていた。彼は日本航空に管理職として勤務していたが3年前にこのボランティアグループを立ち上げ、支援先を頻繁に訪れ、2月にはビルマの農村を訪ねた。土ぼこりを上げ、でこぼこ道を走り続けた先に、小さな保健施設があった。注射をすると幼い子供がわっと泣き出したが、母親はあやしながらホッとした表情に。彼も支援を続けてよかったと思った。

2010年3月18日木曜日

(676)東京入管での面会 体調不良者は

(2010年3月18日)
  昨日は水曜日、恒例のデートの日だ。たまたま昨日は一人のビルマ女性が仮放免で出所したことを知り、嬉しくてしょうがない。通常4ヶ月で仮放免が貰えるのに彼女の場合は5ヶ月を過ぎており、精神的に相当参っていた。先週も面会するため訪問したけれども、体調が悪いという理由で面会室には現れなかった。彼女は日ごろ明るく振舞っていたが、自分だけなぜ遅いのか理由もわからぬまま、皆より1ヶ月も遅いことに大きな不安を抱いていたに違いない。結局彼女とは会えぬまま残りの10人と面会することになった。そのうち2人は、腰が痛いとの理由で面会室に姿を見せぬことが多い。入管内に医務室があるが、診療はせずに薬の投与だけのようだ。昨日は西日本入国管理センターでの体調不良者への処遇問題でハンストが行われたニュースを報じたが、入管も収容者への人権問題に十分留意して貰いたい。

2010年3月17日水曜日

(675)西日本入国管理センターでハンスト

(2010年3月17日)
  現在日本には各地に入国管理局と入国管理センターがあるが、一般的にはどちらも「入管」と呼ばれていて、その差は判然としていない。まあ、外国人の摘発や審査、収容機能などを併せ持っているのが各地の入国管理局であり、その中には東京入国管理局(いわゆる品川入管)をはじめ札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡など8つの入国管理局がある。一方入国管理センターの方は3つあり、東日本入国管理センター(いわゆる牛久入管)、西日本入国管理センター(大阪府茨木市)、大村入国管理センターで、単に外国人を収容する施設である。さて、3月11日の朝日新聞夕刊に西日本入国管理センターで男性収容者70人が一斉に「ハンスト」という記事があった。理由は仮放免が昨年から認められにくくなり、体調不良の収容者の仮放免を求めてのハンストらしい。病人は外部の病院で診て貰える様に!

2010年3月16日火曜日

(674)脳出血で意識不明 どうしたらよいか

(2010年3月16日)
  10年前の生徒で、その後も時々連絡を取り合っているビルマの友人から電話が入った。「在日ビルマ人の一人が脳出血で倒れ現在入院中、家族を呼び寄せることも検討されているが、患者を母国に送り返した方がいいという意見もある。その場合飛行機の料金が200万円かかるらしい」。「えっ飛行機の料金が200万円?」思わず聞き返した。彼が言うには「医師と看護師が同行するし、患者が寝る場所に7人分の座席必要」という。さらに彼は「誰か寄付してくれる人はいないか」。患者は難民申請者ではなく、どこかのグループにも所属していない。私はいろいろ考えて次のように答えた。「ビルマ人を助けてくれているキリスト教関係者に相談してみては」と言って3人の知人の名前と電話番号を教えてあげた。難民の場合はBRSA(在日ビルマ難民たすけあいの会)も絡んでくるが、 今回の場合はどうしたらよいのか

2010年3月15日月曜日

(673)ビルマ今週のニュース(1010号)

(2010年3月15日)
  BURMAINFOのニュース(1010号)から抜粋。 ★ビルマ軍政は総選挙に関連する法律を発表。また選挙管理委員会も設置され、軍政が選んだ委員が発表された。政党登録法にはスーチー氏を排除できる規定がある。またNLDなど既存の政党が存続したい場合は60日以内の申請が必要。クローリー米国務次官補は総選挙の結果は受け入れられないと発表。 ★2月にビルマを訪れたキンタナ人権特別報告者は「長年続く人権侵害は国家政策の結果であると発表。 ★アカデミー授賞式が7日に行われたが、2007年のサフラン革命をテーマにした「ビルマVJ 消された革命」は受賞を逃した。5月から日本で公開予定。 ★ビルマへの政府開発援助、・イラワジ管区農機具修理場建設(約9万ドル)、・テナセリウム、僧院学校建設(約8万ドル)、・ラングーン、国家保健研究所設備拡充(約10万ドル)、その他2件。

2010年3月14日日曜日

(672)あまりにも気の毒なロヒンギャー族

(2010年3月14日)
  今週ビルマ関連の大型ニュース(選挙関連法)が続いていたが、今日は全然別のニュースが朝日紙面に大きく掲載されていた。見出しは「救われぬロヒンギャ族」、「ミャンマー軍政:国民と認めず迫害」、「バングラデシュ:避難民を締め出し」というもの。ビルマ軍事政権の迫害から逃れ、隣国バングラデシュに流入した少数民族ロヒンギャ族に対し、バングラデシュ当局が本格的に取締りを始め、1月だけで数百人が収監されたり、強制送還されたりした。欧州連合(EU)などは強い懸念を表明している。バングラデシュ側には国連運営の公式キャンプがあり、28000人が暮らすが、それぞれの隣に非公式キャンプがあり、20万人の不法移民が暮らす。ビルマ西部のラカイン州には100万人いるとされ、軍政はイスラム教徒のロヒンギャ族を国民として認めず、強制労働を科している。母国の無い民族はあまりにも気の毒だ。

2010年3月13日土曜日

(671)スーチー氏の選挙資格を明確にせよ

(2010年3月13日)
  昨日までに選挙関連5法が公表されたようだが、ここで問題なのはスーチー氏の選挙資格。政党への参加や被選挙権に「禁固刑に服していない者」との条件がついており、スーチー氏が有資格であるのか否か世界中が翻弄されている。軍事政権が恣意的に決めることが出来るあいまいな条文であり、軍政側にとっては便利な条文でもある。今日の朝日新聞によれば、岡田外相が「スーチーさんが有資格であるかを明確にする責任がミャンマー政府にはある」とし、駐日ミャンマー大使に対し、この点を軍政に確認するよう指示したという。なお岡田外相はもしスーチーさんが条件に該当するならば「極めて遺憾だ、軍政の回答によっては次の対応も考えなければならない」と述べている。しかし軍政側がやすやすと手の内を明かすとは考えにくい。もう一つの課題「2100人の政治囚の解放」問題も梨の礫、どうする岡田さん。

2010年3月12日金曜日

(670)ビルマ選挙法 各国の反応 

(2010年3月12日)
  ビルマ軍政が選挙関連5法を明らかにしたが、各国の反応は以下の通り。【日本】武正外務副大臣は「内容に解釈の余地が有り、スーチーさんの排除を断定することは困難、政府は米国や中国への働きかけを強める」。【米国】オバマ政権の落胆は大きい。スーチ氏の解放を目指して高官級の直接対話に踏み切り、精力的に民主化への働きかけを続けてきたのに「ゼロ回答」をつきつけられた。【フィリピン】ロムロ外相は「今回の軍政の施策は全くの茶番だ」。【タイ】政府高官は「今回の法律ではビルマの将来に希望がない」と。【インドネシア】政府高官「急ぎすぎると血が流れる、粘り強く民主化を訴えていくしかない」。【中国】外務省の秦報道局長は「完全にビルマの国内問題であり政府と人民によって適切に解決されるべきだ」。【スーチー氏】一連の選挙関連法について「完全に間違った方法で恥ずべきものだ」と論評。

2010年3月11日木曜日

(669)選挙新法 見えない思惑

(2010年3月11日)
  この2・3日、各新聞は大見出しでビルマの選挙新法について報道している。今朝の朝日新聞によれば、「軍政、見えない思惑」、「選挙新法、条文あいまい」という見出しを掲げ、様々な問題点を取り上げている。政党登録法によれば、政党設立者や党員は「禁固刑に服していない者」とあるが、スーチーさんとNLDの参加を拒むのではないかという懸念が強まっている。軍政側の説明がないので、自宅軟禁が禁固刑に当たるのかどうかあいまいであり、裁量の余地を残している。また「60日以内の政党登録」は、NLDに政党登録を促すことで「すべての関係者が参加する選挙」という姿勢をアピールすると同時に、NLD 内部の二つの意見、すなわち「選挙をボイコットする」、「選挙に参加して少しでも多くの議員を議会に送り込む」の両案にゆれるNLDをさらに揺さぶろうとしている。どちらを選択してもNLDは苦しくなろう。

2010年3月10日水曜日

(668)ビルマの選挙 スーチーさんは排除か

(2010年3月10日)
  軍事政権は年内に実施予定の総選挙に関する政党登録法を公表した。この新しい法律の中に、政党のメンバーになるには「刑に服していない」という条件があり、有罪判決を受けて自宅軟禁中のスーチーさんが排除される可能性が高くなった。また、NLDのメンバーら多くの民主活動家が投獄されており民主化勢力の多くが総選挙から排除されることになる。また、法制定から60日以内に政党として改めて登録する必要があり、軍政主導の総選挙への参加の是非を慎重に検討してきたNLDなどは決断を迫られることになる。NLDはこれまで総選挙への参加条件としてスーチー氏はじめ拘束されている民主活動家全員の解放と、タンシュエ議長との直接対話を求めてきたが実現していない。NLDとして、自らの要求が通らないまま選挙に参加するか、政党としての資格を放棄するするかの困難な選択を迫られている。

2010年3月9日火曜日

(667)ビルマ選挙関連五法を制定 NLDは不参加か

(2010年3月9日)
  ビルマ軍事政権は8日、国営放送を通じて政党登録法など年内に実施予定の総選挙に関する五つの法律を制定したと発表。内容は国営紙などに9日から掲載するとのこと、国際社会が求める「誰もが参加できる開かれた選挙」がどこまで担保される内容になっているのかが焦点。制定されたのは、連邦選挙管理委員会法、政党登録法、人民代表院(下院)選挙法、民族代表院(上院)選挙法、地方選挙法の五つ、総選挙の日程には触れていない。最大の焦点は、スーチーさん率いる国民民主連盟(NLD)など民主化勢力の扱い。スーチーさんはじめ刑務所に拘束されている約2100人の民主化活動家らの解放がなければ「自由で公正な選挙」とはいえずNLDは総選挙への参加を拒否する可能性が高い。一方軍政は翼賛組織USDAによる政党化に力を入れている。以上が概要であるが、明日以降の情報に注意しよう。

2010年3月8日月曜日

(666)第三国定住は不可欠

(2010年3月8日)
  昨日は「定住者」という法律用語の意味について述べたが、読者から「私は定住の資格を持っているが、定住者との関係はどうなのか」という質問を貰った。私は法律家ではないので、正確ではないが、まあ「定住」は資格をいうのであり、今年日本が呼ぶ「定住者」とは別の話であろう。時を一にして3月6日の朝日新聞夕刊に「第三国定住は不可欠」という見出しのコラムが出ていた。 国際移住機関(IOM)で、難民に定住先の言葉や文化の習得を指導している上級移民統合研修官のピンディー・ステファン氏(米人女性)が来日し、記者会見でタイ北部のビルマ難民を今年から日本が受け入れる第三国定住について「国際社会の連帯のために不可欠な仕組み」と強調。「受入国にとっても、異文化に触れて偏見がなくなるチャンスであり、恩恵はあるはず」と言う。私もどちらかと言えば多文化共生派、恩恵はいっぱいある筈。

2010年3月7日日曜日

(665)定住難民が来日 「定住者」の意味明確に

(2010年3月7日)
  今年度からいよいよ第三国定住による難民の受け入れをパイロットケースとして開始する。対象となる者を「定住者」としてわが国に受け入れるために、今般「定住者」の地位を定めている告示について所要の改正が行われた。現在、タイ国内において一時的に庇護されているミャンマー難民であって、次のア)とイ)に該当する者を「定住者」として受け入れることが出来るとした。ア)UNHCRが国際的な保護の必要な者と認め、わが国に対してその保護を推薦する者、イ)日本社会への適応能力がある者であって、生活を営むに足りる職に就くことが見込まれる者、及びその配偶者または子。他方、昭和53年から受け入れられていたインドシナ難民については、平成15年末をもって定住受け入れは完了しており、この規定を削除した。以上が告示改正の要旨であるが、このパイロットケースの成功には日本人の意識も大切。

2010年3月6日土曜日

(664)ビルマ今週のニュース(1009号)

(2010年3月6日)
  BURMAINFOのニュース(1009号)から抜粋。 ★対空砲などを備えた2000人の中国軍がビルマ・ワ州州都パンサンを隔てた国境付近に集結、パンサンの南約100キロのところでビルマ軍がミグ29戦闘機の演習を行っており、ビルマ軍が攻撃してくるならワ州連合軍ではなくビルマ軍を攻撃するとの観測もある。 ★ワ州連合軍と同様軍部を国境警備隊に改編するよう求められているカチン独立機構(KIO:KIA)もビルマ軍による攻撃に備えて臨戦態勢をとっている。なおビルマ軍への回答期限2月28日までに回答はしていない。 ★オバマ政権が軍政との直接対話を決めた背景には、ビルマ軍政が北朝鮮との軍事関係拡大への懸念があったため。 ★ノーベル平和賞を受賞した女性の団体「ノーベル女性イニシアティブ」がビルマ女性に対する犯罪の国際模擬法廷を開催、国際刑事裁判所に付託するよう勧告した。

2010年3月5日金曜日

(663)面会受付 もう一つの意味合い

(2010年3月5日)
  この1、2ヶ月の入管での面会受付の改善努力は見事である。特に午後の受付開始時のメガフォンによる担当官の挨拶など素晴らしいと思う。というか今までがお役所仕事であり過ぎていたのかもしれない。しかし、今後とも改善を続けて貰いたい点がいくつもある。例えば、面会申請用紙記入欄の平易化、到着順に座席につくことの周知徹底、意見投書箱の設置などなど。ところで、面会者のほうも係官への挨拶が少ない気がする。「お願いします、ありがとうございました、お世話になりました」などの挨拶は、日本人はもちろん外国人でも出来るはずである。入管というところは、世界各国の人が集まるところであり、特に面会受付には収容されている家族や友人の安否を気遣い、あるいは、永遠の別れとなるかも知れないなど深刻な気持ちで訪れる外国人も多い筈。外国人に対する日本人の心を伝える格好の場所でもある。

2010年3月4日木曜日

(662)東京入管 面会受付手順の改善

(2010年3月4日)
  私は13年間入管訪問を続けているが、最近面会受付方法が改善されている。従来は受付カウンター前に並んだ順に番号札を貰っていたが、この方法では要領のいい人が後から来たのに先に並んだり、あるいは各自の荷物をカウンター前に並べて場所取りをしたりしており、要領のわからぬ外国人は折角早く来ても面会の順番は大幅に遅れることがあった。現在は早く来た順に番号付の椅子に整然と座り、定刻(12時40分)になったら正式な番号札が係官の手で座席順に配られ、その際記入用紙の事前チェックも行われ、カウンターでの記入漏れトラブル削減に役立っている。さて面会人数の件だが、昨日は恐る恐る10人分提出したが問題はなかった。昨日書いた日本人女性の場合と違って、午後最初の面会申し込みの際は、20箇所ある面会室はすべて空いているので、制限がなかったものと推定する(続く)。

2010年3月3日水曜日

(661)面会時間が10分から15分に

(2010年3月3日)
  昨日ビルマ人のA君からの電話でいい話があるという、なんと入管の面会時間が10分から15分に延びたというのだ。ちょっと耳を疑った。東京入管が品川に移ってから7年、面会時間は10分と決まっていたのに突然の延長だ。延びることは面会者にとっても嬉しいし、係官にとっても収容者を連行する際の忙しさが減るというメリットも生じよう。その電話の直後、今度はよく面会に来ている日本女性のBさんからも電話があり、15分に伸びたけれども面会できる人数が制限されたという。彼女は5人と面会しようとしたが、係官から減らしてほしい、もしどうしても面会したいなら最後にしてほしいと言われたという。このようなことはビルマ人からもよく聞いていたことだ。私は外国人による面会は3人が限度と聞いていたが、日本人までこの規制があるとは知らなかった。いつも10人と面会している私はどうなるのかな(続く)。

2010年3月2日火曜日

(660)毎日書くって大変? そうでもない?

(2010年3月2日)
  私のブログを見た人が、「毎日書くってすごいなあ、とうてい真似できないなあ」と言う。習慣となっているので私は別に大変だとは思っていないし、むしろここまで続けたのだから、もっともっと続けたいという願望のほうが強く、今日の660回まで来ている。このほか私は門外不出、誰にも見せられない日記も毎日書いており、こちらは13年続いている。この日記は私の小遣い帳を兼ねており、毎日の行動と入出金を確実に記録している。ところで私の友人Sさんのブログ「ルビーの目」は、彼女の日記を中心に37ヶ月1273回(月間平均記事数34回)続いており、私も時々覗かせていただいている。彼女はこのブログのほかにMIXIの常連でもあり、多くのミャンママたちと交流を続けている。またミンガラ日本語教室のホームページを管理しているなど実に多才な女性である。若いモンに負けちゃあいられない、爺も頑張るぞ。

2010年3月1日月曜日

(659)ビルマ今週のニュース(1008号)

(2010年3月1日)
  BURMAINFOのニュース(1008号)から抜粋。 ★ビルマ最高裁は26日スーチー氏が国家防御法違反罪で有罪判決を受けた件に関し、氏の上告を棄却した。氏は判決の見直しを求める予定。NLDのスポークスマンは「判決により総選挙が自由・公正とはとてもいえない、党首が拘束された状態ではNLDは苦しい立場に立たされる」と。 ★国連人権理事会でビルマを担当するキンタナ特別報告者はニャンウイン外相ら軍政高官と会談、スーチー氏との会談も希望したが認められなかった。 ★カレン州北部のパプン地区で、19日朝ビルマ軍が国内避難民の集落にある学校を砲撃、15歳の少年が死亡、カレン人権グループ(KHRG)は、民間人を故意に狙ったものと分析した。 ★法務省は26日09年の難民申請者数は1388人(ビルマ人568人)、難民認定数30人(同18人)、在特認定501人(同478人)と発表した。