2011年12月23日金曜日

(1319)読了61冊目 「少数民族の生活と文化」

  本書は「21世紀の民族と国家」の第11巻に相当し、学術的である。編者は片岡弘次、発行は1998年3月・未来社、276頁、2800円+税。第1章から7章まであるが、ミャンマー関係は第1章のみで、題目は「孤児はいかにして民族の象徴となったか(カレン人の孤児伝承)」(11頁~45頁)、この章の著者は吉松久美子。カレン人はミャンマー国内に286万人(93年)居住し、スゴーカレンが38%、ポーカレン(36%)、両者間の言語は異なり、意思疎通は困難。スゴーカレンでは「孤児はカレン民族の隠喩」といわれており、伝承には孤児と老婆の組み合わせが多く、孤児の修飾語としては「怠け者」「いたずらもの」などが多い。本書では多くの孤児伝説が語られているが、カレン人が英国の撤退とともに報復され劣位民族に再転落することとなり、1950年以降「カレン民族は孤児である」としきりに提唱されている。

2 件のコメント:

  1. 「カレン民族は孤児」とは、気の毒であり悲しいことですな。
    国連が力をつけて、世界の民族問題を改善してほしい…。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    カレン族は、イギリス統治時代は優遇されていたが、ビルマ独立以降、ビルマ族が優遇され、逆にカレン族は2流国民二転落、このことが「孤児」と言わしめたようだ。(N)

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