2012年1月5日木曜日

(1332)読了66冊目:「中国人ムスリムの末裔たち」

   副題は「雲南からミャンマーへ」。著者はやまもとくみこ、小学館・2004年6月発行、318頁、定価1400円+税。中国人ムスリム=イスラム教徒(回教徒)は回族と称し、荘族・満族に次ぐ第3位の中国政府公認の少数民族といわれる。総人口9百万人、雲南では100万人も暮らしていた。一方、ミャンマーでは同国に移住した回族をパンデーと称し、推定人口1万数千人。18世紀に彼らは雲南を発ってモウラミャインなど各地を、50頭とか200頭の雲南馬を連ねた隊商(馬幣:まばん)として交易を行った。著者はミャンマー各地にいるパンデーの子孫を探し当て、祖先が雲南からミャンマーへどのような道を辿ったか、いつ頃ミャンマーに定着したか、モスク(中国名:清真寺)建立時期などを調べた。3歳の子供を抱えての奮闘記で、ミャンマーでの生活もよく描かれている。

2 件のコメント:

  1. 著者は奇特な方ですな。
    このような著作は、民族学的にも歴史的にも価値ある書物でしょうな。
    K.A.

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  2. 著者は文化人類学者、大東文化大学助教授、現在はフリーの研究者であり作家。両刀遣いには敬服するのみ。(N)

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