2012年1月23日月曜日

(1350)読破73冊目:「ビルマの独裁者タンシュエ」

  副題は「知られざる軍事政権の全貌」、著者はベネディクト・ロジャーズ、訳者は秋元由紀、 2011年12月・白水社発行、321頁、2800円+税。2011年3月までの18年間、ビルマ軍事政権の最高実力者であったタンシュエ上級大将の伝記、現存している人物に対してここまで書くかという驚きの記録だ。彼は郵便局員のあと士官養成学校に入学、昇進を続けた。タンシュエはカリスマ性や迫力に欠け、力もないと皆に思わせたが、彼は画策者であり、皆が騙されたのだ。彼は民主主義に関心がなく、ディぺイン襲撃事件を策略し、彼の娘の豪華な結婚式や、各地のダム建設、核開発に伴う北朝との接近、ニュン一派の粛清、サフラン革命の暴挙など、すべてに彼は関与し、スーチー女史を15年間自宅軟禁した男の伝記だ。参考文献だけで35頁もあり緻密な作品。

2 件のコメント:

  1. 民主主義に関心のない人物に、牛耳られていたことは全く不幸なことでしたな。
    これからは、すっかりよくなりますように!
    K.A.

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  2. k.a.さん
    一国の前元首に、しかも生存中に、これだけ悪口を書くのは、相当な勇気がいると思います。しかし独裁者の末路は大体決まってますね。北朝鮮を除いて。(N)

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