2012年1月3日火曜日

(1330)読了65冊目:「四川、雲南、ビルマ紀行」

  著者は尾坂徳司、副題は「作家・艾蕪(あいうー)と20年代アジア」。1993年5月・東方書店発行、373頁、定価3800円。著者艾蕪は1904年、中国四川省で生まれ、22歳のとき働きながら学ぶために成都から雲南省昆明に入る。ここでは街頭を流浪し、社会からの処遇に怒りを覚えたが、暇を見ては読書し、習作を試みた。24歳のとき単独で中国領からビルマ(カチン州)に入国、旅籠での馬の糞さらいや、店主児女の家庭教師に。さらにバモーからマンダレー、ラングーンに入り、小説を書き続けた。27歳のときシンガポールで雑誌を創刊、その記事が災いしてビルマ当局に逮捕され、翌年上海に強制送還。その後中国で文筆活動に大活躍。本書は彼の若き頃の紀行文を数多く紹介し、随所に解説が入っている。中国人が見た昭和初期のビルマの情景は貴重だ。

2 件のコメント:

  1. 文才があり体験も豊富、また時代が時代なので、さぞ<読みで>のある面白い内容でしょうな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
     そうですね、読みでがありました。大正~昭和始めの雲南省もビルマもすごい田舎で、みんなよく生きているなあといった感じでした。
    (N)

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