2010年12月9日木曜日

(940)「閉ざされた国ビルマ」を読みました。

(2010年12月9日)

  いま標記の本を読んでいる。著者は宇田有三氏、2010年1月高文研発行、238頁、定価1700円、副題として「カレン民族闘争と民主化闘争の現場を歩く」と記載されていた。著者は有名なフリーランス・フォトジャーナリストで、軍事政権、先住民族、世界の貧困などを重点的に取材し続けてきた活動家である。この本の構成は、序章:「ビルマ」か「ミャンマー」か、第1章:カレンの人々、第2章:軍事政権下に生きるビルマの人々、第3章:ヤンゴンからビルマの最北端の村へ とあり、得意の写真で随所に花を添えている。著者自身が従軍し、また国境の難民キャンプに何回も潜入して取り上げたビルマ族対カレン族の闘争の記述は、日本人には分かりにくい少数民族闘争の原点を示している。なお第3章では軍事政権下に生きる庶民の姿が記されており、文章も平易で読みやすい。最近のビルマ紹介本として推奨する。

2 件のコメント:

  1. 成程、最近のビルマ情勢を知るには、うってつけの本ですな。
    処で民族闘争は、全く御気の毒。時間をかけて何とか解決できる方法はないのかしら?
    K.A.

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  2. k.a.さん
    民族闘争というのは日本人には分かりにくいですね。現在東京にはたくさんの民主化団体がありますが、各少数民族はそれぞれの団体に所属しており、たとえばBRSA(在日ビルマ難民たすけあいの会)の場合大多数の会員がビルマ族です。各少数民族は州の自治独立をうたっており、ビルマ族との共存を真に願っているとはいえません。(N)

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