2011年5月17日火曜日

(1099)読みました 「ビルマ敗残 陸軍海上輸送隊」

  「ビルマ敗残 陸軍海上輸送隊」、副題:もう一つのビルマ戦記、荏田良夫著、文芸社、2001年8月発行、1000円+税、252頁。著者は元ビルマ派遣海上輸送第三大隊陸軍少尉。私はこれまでもビルマ関連の戦記ものを多く読んできたが、陸軍にこんな部隊があることを全然知らなかった。既に敗戦の予兆があり、制空権、制海権を失った状況下でも、ビルマ海岸で多大の損害を受けながらも物資輸送を続けた様子がありありと描かれている。第1章:ビルマに初めての陸軍海上輸送隊、第2章:アラカン山脈西海岸へ、第3章:遠洋漁船が主体となる、第4章:悲しい撤退、第5章:総崩れ と続く。前半は慰安所風景など比較的のんびりした筆致であったが、後半は一転して、小銃と手榴弾だけの日本軍が、イギリス・印度軍の大型戦車群に蹂躙され全滅していく様子など、戦争の恐ろしさと愚かさをよく伝えている。

2 件のコメント:

  1. 戦争体験の我々にとっては、大変興味があり、感慨一入!
    こういう書物は、未体験の若者諸君に是非読んで欲しいと思う。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    確かにそうですね。70歳以下の若い人にぜひ読んでほしいですね。(N)

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