2011年1月10日月曜日

(972)ビルマの「選挙」とメディアの危うさ

(2011年1月10日)
  「すばる」2月号に秋元由紀さん(上智大学卒、ニューヨーク州弁護士資格取得、ビルマ情報ネットワークディレクター)が標記のタイトルでエッセイを寄稿していた。軍政は実に巧みにメディアを利用しているというのだ。総選挙の実施に続きスーチー氏を7年ぶりに解放するという二つの重大な動きがあリ、日本でも大きく取り上げられた。軍政が国民に選ばれたという儀式を通過したかったからだ。統治者としての正当性を手に入れれば安泰と考えたのだろう。「選挙」といえるか怪しい手続きで「選挙した」という既成事実を作り上げたのだ。スーチー氏の解放も軍政の柔軟化や妥協を示すものではない。それなのに前日までは選挙が自由公正でなかったことを批判していたメディアが、一転してスーチー氏の一挙一動を追いかけ選挙を過去のものとした。今後軍政は「選ばれた政府」として体制作りを進めていくとしている。

2 件のコメント:

  1. なるほど、こういう見方も貴重な意見として尊重せねばいけませんな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    こういう分析ができるということは、秋元さんの頭がいいんでしょうね。総選挙とスーチーさん解放という二つの事件が、実は軍政によって仕組まれたとすれば、軍政も頭がいい。
    でも軍政がそこまで見通していたとは思えないな。(N)

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