2011年11月28日月曜日
(1294)読了56冊目 「欠けている所を埋めて下さい」
著者はマ・サンダー、訳者は堀田桂子 1986年7月 井村文化事業社発行 279頁 定価1854円。主人公のコートゥが13歳、妹が12歳、大人になりきれない二人の兄妹を中心にした比較的裕福な家庭の物語、隣家に少々頭がおかしくなったおじさんが住み始め、コートゥを木から落ちて死んだ自分の息子と間違え溺愛する。ある日コートゥたちが親の誤解で強く叱られ、木に上り、妹はコートウが探していたジグソーパズルの真ん中の一枚を彼に渡すべく追いかけるが、彼は誤って木から落下し死亡、結局パズルは完成しなかった。この出来事が題名となる。もちろん欠けている所はパズルだけではなく、家族の中心にいたコートゥの心でもあろう。私はこの最終章で目がウルウルし一気に読み終えた。実に面白い小説だ。なおこの書籍にはもう一つ「ラングーン駅14時35分発」という短編も掲載されている。
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非常に悲しい物語だけど、コートゥが隣家のおじさんの息子と、全く同様に、木から落ちて死ぬことで若干救われますな。
返信削除K.A.
k.a.さん
返信削除今までビルマの小説はあまり読んでいなかったが、今回、興味津々の小説を知り、見直しました。
コートゥの死後、隣の少々頭のおかしかったおじさんは、正常に戻ったとも書いてありました。(N)