2011年10月27日木曜日

(1262)読みました 「アラカンの墓標」

 「アラカンの墓標」、副題は「私のインパール作戦記」、著者は吉村秀雄氏(大正8年生)、1987年10月、葦書房発行、242頁、1500円+税。インパールは印度領にあり、援蒋ルートの拠点といわれ、日本軍は無理を承知でここを攻撃することを決めた。ビルマの各地方を占領した日本軍は、勢いに乗じてほぼ全部隊が北から南からインパール奪取を目指した。しかし制空権を米英軍に握られ、武器・食料の補給が圧倒的に少ない中、日本軍は無茶苦茶に前進し、インパール北部のコヒマまで一部が到達した。2ヶ月の戦闘のあと撤退、それからは圧倒的な英印軍の軍事力により敗退を続け、終戦を迎えた。本書でいうアラカン(山脈)は印度領であり、伝染病や食料不足のため痩せ衰えた兵隊は次々と倒れ、まさに地獄のような光景の連続であった。もしここに戦争賛美者がいたら、ぜひこの本を読んでいただきたい。

2 件のコメント:

  1. 全く無謀で悲惨な戦いでしたな。
    それにしても、援蒋ルートとは、苦々しくも思い出深い…。
    K.A.

    返信削除
  2. k.a.さん
    無謀で悲惨な戦争、その通りですが、アセアン10カ国がそれぞれ独立した面も見直したいと思います。(N)

    返信削除