2011年10月19日水曜日

(1254)読みました 「12のルビー」

  副題は「ビルマ女性作家選」、編者はマウン・ターヤ(1931年生、1953年投獄、ビルマ文学界の実力派作家の一人)、訳者:土橋泰子(東京外大ビルマ語科講師)、南田みどり(大阪外大ビルマ語科助教授)、堀田桂子(大阪外大ビルマ語科講師)(肩書きは発行当時)、1989年11月、段々社発行、294頁、定価1700円。軍事政権下という厳しい社会状況の中で、ミャンマー人庶民のたくましい生活ぶりを描き出す12人の作家による12編が並ぶ。1974年から85年の作品だが、いずれもどこにでもあるような家族関係や恋愛関係をしっかりした筆致で描いており、読んでいて時に目が潤む。そして、日本の大正、昭和初期の暮らしを思い浮かべてしまう。ミャンマーの女性作家たちの精神はしなやかに強靭で、読者に希望を与えてくれる。同時に翻訳者もそうそうたるメンバーであり、いずれもすらすら読める。

2 件のコメント:

  1. こういう書物は、いつ読んでも元気付けられますな。
    これからも、多くの人々に感銘を与え続けることでしょう。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    軍事政権の検閲のあるなかで、女性作家が、しなやかに、強靭に書き上げた秀作ぞろいで、平和な家族や恋人関係がよく描かれています。確かに感銘を受けますね。(N)

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