2011年9月25日日曜日

(1230)読みました 「白骨街道」

  「白骨街道」、副題は「英軍に救われたビルマ戦線捕虜の記」、著者は島野敬二氏、(大正8年生)、1992年5月、同時代社発行、159頁、定価1200円。前半は通常の戦記ものであり、カチン州のサモウ、インジゴン周辺で大兵力の英印軍と激烈な戦闘を続けたが、力の差ははっきりとしており、周辺には日本軍兵士の白骨が累々と続いていた。著者も最前線で一時意識不明となったが、幸い英軍の赤十字部隊に発見され、直ちに戦闘機に載せられレドの野戦病院へ運ばれ、手厚い看護を受けた。その後、さらにピネカールの捕虜収容所に移送され、3千人の日本兵捕虜と一緒に2年を過ごした。終戦の詔勅で武装解除された者と、その前に捕虜になった者との間には、明らかな断層があった。恥辱と考えていたここの3千人は、互いに本名を明かすことなく2年を過ごし、帰国後も連絡を取り合っていないようだ。

2 件のコメント:

  1. 数奇な運命の持ち主ですね。
    この本は、不運・不幸な場合の対処法として役立つことでしょう。
    K.A.

    返信削除
  2. k.a.さん
    軍人勅諭の「生きて虜囚の辱めを受けず」という一節が、最後まで彼らの心を苦しめたものと思います。貴重な文献ですね。(N)

    返信削除