2011年9月21日水曜日

(1226)読みました 「ビルマ戦記」(自動車隊)

 副題は「自動車大隊小隊長の陣中日誌」、著者は阿部幸助氏、1995年(平成7年)12月、戦誌刊行会発行、279頁、定価2000円。著者は早大卒と同時に入隊、見習士官としてビルマ戦線に赴任、昭和18年4月の出陣より同20年12月までの壮絶な戦いの間に丹念に綴った日誌。自動車小隊はトヨタの貨物自動車を使っていたが、すでに部品はなく、皆自己流に修理していた。制空権のない戦場では、昼間の運行はできず、もっぱら夜間の活動を強いられ、前進よりも後進が多かった。英印軍と対峙して敵の銃弾で部下が次々と倒れる様子はまさに壮絶そのもの。最後は食料がなく、軍服もないままの姿で終戦を迎え、英印軍の捕虜となった。その間、同僚や部下たちの日本軍人としてあってはならない浅ましい姿に何度も接し、悔しさにしばしば泣き崩れていた。彼には「天皇の軍隊」という意識が強すぎた。

2 件のコメント:

  1. 著者は大変な体験をされましたな。
    人生に対する貴重な信念が得られたことでしょう。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    私たちもそれぞれ敗戦という貴重な体験をし、それが役に立っています。著者らの体験はその何倍か、何十倍か。これらの体験が、日本の戦後復興に寄与したのでは。(N)

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