2012年10月5日金曜日

(1606)読了126冊目:「ビルマの花」

    副題「戦場の父からの手紙」、著者福田恵子、1988年6月・みすず書房発行、270頁、1854円。ビルマ北端のミイトキーナ(ミッチーナ)で米軍情報部所属の日系二世カール米田軍曹が、日本軍兵士の死骸の間から、幼い子供(著者)の描いた絵ハガキの束を見つけた。帰国後日本の著者に、「お父さん(秋葉中尉)は帰国されましたか」と連絡、その後来日の際にその絵葉書を著者に手渡し交流が始まった。著者はこの米兵を父親代わりと感じるようになってきた。しかし情報不足で、父の足跡は漠然としていた。40年経って著者は父の最後を求める旅を始める。シンガポール、アメリカ、そして日本の各地にいる知人に会って父の戦死の状況を尋ね回った。そして最後に人々の記憶のなかに生きている父(秋葉中尉、38歳)を探し出した。文中に多くの絵手紙を掲載。

2 件のコメント:

  1. ほのぼのとした、暖かさを感じる読み物ですな。
    幻の父親が見近のものとなったので、安心しました。
    K.A.

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  2. K.A.さん
    父の最後の死に場所を探し求めた著者は温かい心の持ち主ですね。
    子供に送った絵手紙はとても上手に描かれており、ほのぼのとします。(N)

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