2011年6月21日火曜日

(1134)読みました 「泰緬鉄道・癒される時を求めて」

  英語の副題はTHE RAILWAY MAN、著者はエリック・ローマクス(イギリス人、1919年生まれ)、翻訳は喜多迅鷹氏、同映介氏、1996年7月、角川書店発行、335頁、2000円、著者は鉄道マニアであり、英軍通信隊将校としてシンガポールに駐在していたが、日本軍によりシンガポールが陥落し、捕虜となって泰緬鉄道建設工事に従事、ここで悲惨な目にあう。その内容を捕虜の側から取り上げたのは珍しい。日本軍による拷問の様子や、憲兵隊による軍法会議の様子など、詳細に記されている。1945年8月、日本が敗北し著者らは帰国することになった。本来ならばここでこの物語は終わるのだが、実はそのあと著者は激しい拷問の傷痕(トラウマ)に犯され、家族と別離し、拷問を下した日本人兵士N氏を激しく憎んだが、50年後泰緬鉄道の駅で再会、その後日本でも再会し、今では兄弟のような関係になる。

3 件のコメント:

  1. 50年後、兄弟同様の関係になったとは、出来過ぎのような「有終の美」!
    麗しい人生ですな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    きょうの朝日夕刊に永瀬隆さんの訃報が乗っていました(享年93歳)。この方が私のブログの中のNさんでしょう。永瀬さんは泰緬鉄道建設当時の憲兵隊通訳で、戦後、犠牲になった連合軍捕虜や、アジア人労働者を悼むため135回にわたりタイを訪問、クワイ川鉄橋で元捕虜と旧日本兵との再会を実現させたと記載されてました。私が本を詠み終わった数日後の訃報、偶然ですね。(N)

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  3. k.a.さん
    追記
    「私が本を読み終わった数日後の訃報」と書きましたが、むしろ、「私がブログに取り上げたその日の訃報」と変更したいです。あまりにも偶然です。(N)

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