(2010年11月28日)
昨日に続き最近読んだ書籍を紹介する。「抵抗と協力のはざま」(近代ビルマ史の中のイギリスと日本)、根本敬著、2010年6月、岩波書店発行、276頁、2800円。著者は東京外国語大学教授を経て上智大学教授、専門はビルマ近現代史。著書多数でテレビや講演会などでも活躍中。植民地時代のビルマに生きた政治・行政のエリートたちは、宗主国であるイギリスや、占領者日本にどう向き合い、いかに独立を達成したのか。「抵抗と協力のはざま」から近代ビルマ史を論じなおしている。通常の歴史書であれば、日本やイギリスに対し、いかに抵抗して独立に成功したかを書くことが多いが、本書では同時に日本やイギリスに協力した人物をも大胆に描いている。この手法は読者に深い共鳴を与えている。なお、著者の父上は駐ビルマ大使館参事官を歴任したビルマ一家である。多少学術的だが信頼できる内容だ。
なるほど、「抵抗と協力のはざま」から歴史を見直すという考え方は、なかなかユニークですな。
返信削除K.A.
k.a.さん
返信削除そうですね、ユニークな発想ですね。考えてみると、我々の社会生活も常に抵抗と協力のはざまに揺れていることになりますね。(N)