2010年11月27日土曜日

(929)「難民への旅」 読みました

(2010年11月27日)

  山村淳平さんが書かれた「難民への旅」(2010年10月、現代企画室発行)、333頁、定価2500円を読んだ。私も著者とは牛久入管や東京での講演会などで何度もお会いした。著者は横浜の診療所に勤務する内科医で、バングラデシュ、タイ、ザイール、パキスタン、そして日本で難民(特にビルマ人)の医療支援や調査を続けており、各国で難民が発生する原因や社会背景を探り、難民保護及び人道支援の本質や、在日難民に立ちはだかる壁や思い込みの援助などに鋭く切り込んでいる。また難民申請者の長期収容は精神的拷問であるとし、さらに難民申請者の就労禁止は権利剥奪の極めつけと断じているが全く同感である。本書は単なるエッセイ集ではない。数多くの文献を読みこなし、難民とは何か、民族とは、そして国家とは・・・・と本質に迫った名著である。前編の「壁の涙」とともに問題提起の書といえる。


2 件のコメント:

  1. こういう正論が、早く実現できる世の中になってほしい…。
    K.A.

    返信削除
  2. k.a.さん
    医者は金持ちが多いというのに、このような活動をされている山村医師は素晴らしい方ですね。(N)

    返信削除