2015年1月21日水曜日

(2444)読了「東南アジア史」 ハリソン著 竹村正子訳 みすず書房発行

  1972年3月発行、283頁、800円。この書の特徴は、個々の国の歴史を集めて紹介するという従来からの手法ではなく、東南アジアという大きな括りの中での歴史をまとめている。東南アジアの歴史は様々な文化と、商業が合流する場の歴史といえる。中世のアラビア商人は、イスラム教をもたらし、いまや東南アジアの人口の半分はイスラム教徒である。近代のヨーロッパ勢力(ポルトガル、オランダ、イギリスなど)の進出は、植民地制度の発展につながり、また諸国のナショナリズムが苦難の末新しい独立国を生み出した。今後はこの新独立国がそれぞれのやり方で進めねばならない。以上のような構成であるためビルマに関する歴史も各章に分散されており、ビルマだけを取り出して解読することは難しい。全章を読んで始めてビルマの歴史が理解できる。

2 件のコメント:

  1. 中世のアラビア商人がイスラム教を広め、東南アジア人口の半分がイスラム教徒…。
    大へん参考になりました。

    K.A.

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  2. K.A.さん
    アジアでのイスラム教の普及も古くからあるので、最近のロヒンギャ問題も歴史から学ぶことも必要ですね。

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