2015年1月14日水曜日

(2437)読了 「ビルマ史」(ハーブィ著・五十嵐智昭訳)

  昭和18年(1943年)8月・北海出版社発行。訳者は高野山大学教授、大東亜省嘱託。「ビルマに史料なし」といわれるが、パーリ文字があったため、インドシナ各国に比べれば金石文献は整っていた。11世紀以降の年史はやや信用できる水準という。今回翻訳した書籍はイギリスの完全併合(ビルマ王国の滅亡)までを記した好著である。しかしあくまでもイギリス人ハーブィの歴史観であり、我々の東洋的な史観で書かれたものが必要であるという。目次は①1044年以前のビルマ、②バガン王国(1044~1287)、③シャン族治下のビルマ、④1500年までの一般情勢、⑤新航路の発見、⑥アラカン、⑦タウングー王朝(1531~1752)、⑧アラウンパヤ―王朝(1752~1885)、⑨ビルマの政治組織、と並ぶ。巻末の「ビルマ歴史年表」、「索引」も貴重である。

2 件のコメント:

  1. パーリ文字があったのは、よかったですな。

    K.A.

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  2. K.A.さん
    パーリ語は南伝仏教経典で使われた文字、仏教国ビルマのお経はいまでもこの言葉が使われているという。他国に比べれば歴史研究は進んでいた。中国には負けるが。

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