2015年1月15日木曜日

(2438)読了「東南アジア史研究Ⅰ」

  杉本直治郎(広島大学名誉教授)著、1968年8月・巌南堂発行、横組み、817頁、3000円。標題の通り東南アジア各国の歴史の学術研究書であり、ミャンマー関係はその中の一部(15章:637~671頁)に記載されている。中国の正史で「驃国」の文字が初めて現れたのは「唐書」からであり、正史以外でも「驃国」の文字が見られたという。この「驃国」こそ「ビルマ」だという。「驃」の発音は、PARAN、PAYAN、PAYAW、PAYO、PYAW、BRAM、BRAHMA、(この字はパーリ語ではMRAMMA)、さらに文語ではMRANMA、口語ではBAMMA、欧米人はBURMA(日本ではBIRMA)と呼ぶ。当時、「驃国」の首都はPROME(PRE-MYO)と呼ばれた。このように著者は中国などの古い歴史書から東南アジア各国の歴史を解読する方法を採用した。

2 件のコメント:

  1. 唐書に記載があるということは西暦700年頃のビルマまで遡れるということで、学術的意義も大きいですな。

    K.A.

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  2. ビルマの歴史はパーリ語であるため他の東南アジア諸国に比べて歴史は古くまでさかのぼれるが、それでも11世紀までという学者がいる。当時の先進国の中国の唐書(とうじょ)によれば、周辺各国の歴史も7世紀頃までさかのぼれるようだ。このため、日本の歴史家は、唐書を利用しているらしい。

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