2012年7月22日日曜日

(1531)読了113冊目:「白衣の天使」

  副題は「ビルマ最前線 従軍看護婦死闘の手記」、宮部一三編、1982年・叢文社発行、319頁、1600円。本書は数十人のビルマ派遣従軍看護婦生存者の手記を集めて一冊にまとめたもの。終戦の2年前、敗色濃い状況の中、日本赤十字社のうら若き看護婦2百余名が、出身地別に分かれてビルマに派遣された。静岡、岐阜、石川、広島、和歌山、愛媛、佐賀、熊本(各20人編成)の各班で、ラングーン、メーミョー、カロー、メイクテーラなど各戦線に配属された。無謀なインパール作戦の結果、敗残兵となった兵隊が食料の無いまま山を越え川を渡り、タイ側に敗走、蛆の湧く傷病兵を看護しながら、従軍看護婦も敗走を続けた。終戦後捕虜となっても、看護活動を続けていたという。この手記集は何人もが同じ場面を書いており、真実そのものと言えよう。感動だ。

2 件のコメント:

  1. そんなに大勢の人の手記があるとは、書いてもらうのも大変でしたでしょうね。
    思い出したくないこともあるでしょうし、でも残さなければとの思いもあるでしょうし。

    しかし、探せば出てくるものですねえ、ビルマ関連本、、、

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  2. stさん
    戦地で戦った兵士も看護婦も、それぞれが同じ地域からの出陣であり、終戦後各地で戦友会が活発に開かれた模様です。思い出したくないこともたくさんあったと思いますが、それらは読者が推測するしかありません。あと100冊は纏まりそうです。(N)

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