2012年12月13日木曜日

(1675)読了130冊目:「破れ狼」

  「破れ狼」副題はビルマ戦線狼山砲第二大隊指揮班長の記録」、著者福谷正典、1995年3月・連合出版発行、286頁、定価2200円。この部隊は朝鮮京城で編成され、昭和19年釜山港を出港、シンガポールを経てマレー縦断、ペグーからマンダレーに入り、さらに中緬国境のワンチンで陣地を構築、米軍指揮下の雲南軍と対峙した。しかし制空権を握られ、物量の差はいかんともしがたく、バモーに転進、ここではインド遠征軍に叩かれた。いわゆる「断」作戦である。ここで著者は敵弾を受けて負傷、野戦病院に運ばれた。1か月後原隊に復帰しマンダレーの戦いに参加するも、結局メイクテーラまで後退、ここで英印軍機甲部隊と最大の決戦、阿鼻叫喚の地獄図絵となる。さらに各地で戦いつつ退却を続け、タトンで終戦、捕虜生活を経て帰国。壮絶すぎる記録だ。

2 件のコメント:

  1. このような実戦記は、実に貴重ですな。戦争を知らない世代には特に読んでほしい…。
    K.A.

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  2. K.A.さん
    確かに貴重です。為政者の責任は重大です。まず全国会議員に読んでもらいたいです。

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