2012年9月4日火曜日

(1575)読了117冊目:「祖国を戦場にされて」

  副題は「ビルマのささやき」、著者は根本百合子、石風社・2000年7月発行、322頁、2000円+税。日本軍がビルマで米軍、英印軍、中国軍と戦った時の記録は、戦記ものとして数多く残されているが、その時最大の被害者であった筈のビルマ人の記録は多くはない。著者はこの点に着目し、戦時下のビルマ庶民の生活と本音を探るべく、取材を続けた。戦争初期のころの日本軍は規律が良く、村の取り締まりも厳しかったので、治安はたちまち回復し、ビルマ人女性に対する乱暴もなかったという。日本軍の敗退初期は、整然、迅速に行われていた。一方、泰緬鉄道建設に動員された人物は、日本兵士の横暴さを訴えた。また、インパール作戦の敗走日本兵は、民家に侵入して食料を略奪したが、反面、同情もされた。これら、ビルマ人のささやきに心が痛む。

2 件のコメント:

  1. 戦争で南方の国々が戦地となりましたが、
    他の国と比べてビルマはどうも、違っているようですね。
    悲惨な事件もあったでしょうが、
    だいたいみんなビルマ人は親切にしてくれ、
    兵隊たちもビルマへの思い出も格別だし、ビルマ人が好きになったりしていますね。他の国と比べると、ずっと、、、でしょう。
    この差は一体?

    だんなの実家にも、当時、日本の敗残兵が逃げてきたのを
    頭をそってお坊さんの格好をさせて逃がしてあげたという話をききました。

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  2. stさん
    確かに日本軍は、フィリピンやインドネシア、マレーシア、ベトナムなどに侵攻しましたが、ビルマだけは格別ですね。歴史的な問題もあると思いますが、日本人がすぐビルメロ、ビルキチ(禁止用語)になるのは、ビルマ人の国民性による部分が大きいでしょう。私は1回の旅行でメロメロ、stさんは?

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