2012年3月30日金曜日

(1417)読了95冊目:「ビルマの砂」

  副題は「失われた青春のときよ」、幅房子著、1990年3月・理論社発行、227頁、定価1200円。著者は童話作家。内容は主人公(著者)が小学生のころ、兄と一緒に過ごしてきた仲良し兄妹の話で始まる。兄はいつも難しい本を読んでおり、授業中も読んでいた。中学に進学したときは校内一番の成績で、級長に選ばれた(昭和11年)。世の中は軍国主義の色が濃くなり、兄は幼年学校に進み職業軍人の道を選んだ。その後ビルマ戦線で戦車隊の指揮官としてインパール作戦で戦ったが、結局壊滅的な被害を受け、兄は戦死。終戦後届いた遺骨の骨壷の中身は「ビルマの砂」だった。また、無事帰還した戦友たちからも白骨街道で戦死したときの情報が得られた。妹(著者)は、戦争のおろかさを皆さんに知ってもらえればという。子供でも読めるやさしい文体だ。

2 件のコメント:

  1. 小学生向きの優良図書ですな。
    それにしても、遺骨の代わりが「ビルマの砂」
    であったとは、全く痛ましい…。
    K.A.

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  2. k,a,さん
    小学生向きの戦記ですね。実際には空爆による戦死のようで、遺骨採集が無理だったのでしょう。子供たちに戦争の愚かさを伝えています。

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