2012年3月24日土曜日

(1411)読了93冊目:「剣の山を越え火の海を渡る」

  ミャタンテイン著、南田みどり訳、1983年11月・勁草書房発行、314頁、定価1650円。不良少年で、#4(麻薬の暗号)を吸っていた少年が、ヤンゴンから家出した。彼らを連れ戻すよう家人から頼まれた大学出身の主人公が、苦心して海岸の村で彼らを探し出す。主人公は陸路より海路のほうが速くヤンゴンに帰れると判断し船に乗る。船にはこの二人のほかに、庶民から搾取する船主と、その下で働く無学で貧しい労働者がいた。船はサイクロンで無人島に座礁、以後船主を除く3人で共同生活を始める。無学だが体力のある労働者が二人をリードし、3人とも生きられるよう力強く困難に挑戦、最後は同じ島にいた船主を打ち殺し、自分は鱶の餌食となる。残された二人は悲嘆にくれるが、救援の船に助けられ故郷に戻る。労働者こそ指導者足りえると訴えている。

2 件のコメント:

  1. 奇妙な小説と思うけど、主人公の表現力がうまいので、読者に読ませるのでしょうな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    社会主義国家では、この種の文学が流行したのでしょうね。というか、書かざるを得なかったのかも。

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