2012年3月3日土曜日

(1390)読了84冊目:「消え去った世界」

  副題は「あるシャン藩王女の個人史」、ネル・アダムズ著、森博行訳、2002年8月・文芸社発行、265頁、1500円+税。著者は1931年生まれ、当時シャン州は33のシャン藩王国から成り立ち、それぞれの藩を統治していた。著者はロックソック藩の王様(ソーボア)の娘。1948年まで、シャン州はビルマとは政治的に独立した立場であった。数十年に亘り平和な日々が続いたが、1942年日本軍が侵攻したため、皆必死に逃げ回った。その後、父は日本政府からロックソックの藩主に再任命された。44年に連合軍がビルマに戻り、空爆を受けライカまで逃げると、そこには米国・カレン連合軍とともに知人のライカ藩の藩主がおり、安全が確保された。その後パンロンでアウンサン将軍と少数民族代表とのパンロン協定が結ばれたが、軍事政権により藩主制は壊滅。

2 件のコメント:

  1. 数奇な運命の王女。
    個人史として読みたくなりますな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    彼女のお父さん、お祖父さんは民衆からとても尊敬されていたようですが、軍事政権によって藩主制が消滅したため、恨んでおり、家族や親戚は英国などに移住してます。筆者は私たちと同年輩であり、その一生に興味があります。(N)

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