2009年3月21日土曜日

(314)ビルマの大いなる幻影

(2009年3月21日)


  いま私は山本宗補氏のサイン入りの「ビルマの大いなる幻影」という単行本を読み返している。1996年発行だから13年前の著作だ。著者は主に解放を求めるカレン族に光を当て、スーチー民主化の行方について解説している。その中で私が見落としていた部分があった。ロヒンギャー族に対する政府軍の弾圧の項目だ。東部国境地帯にはカレン民族を中心とした難民が現在16万人いるといわれるが、西部国境地帯には当時27万人ものロヒンギャ難民が怯えながら貧しく生活していたという。カレン民族とロヒンギャー民族を弾圧する姿は共通しており、共にビルマ民族以外の少数民族と、仏教以外の宗教を弾圧するという国軍優越主義の現われだと著者は論じている。昨年発効された新憲法の348章を読むと、国家は民族、出身地、宗教などによって差別してはならないとある。大いなる幻影になりそうな気がする。


2 件のコメント:

  1. 新憲法の大事な部分が、幻影にならないよう、マスコミ等、大いに取り上げて欲しいですな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    新憲法は軍事政権のために作られた憲法なので、なんでも恣意的に決まってしまいそう。
    国民はうつ状態のまま、ビルマは大いなる幻影のまま来年の総選挙を迎えるでしょう。(N)

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