2013年6月30日日曜日

(1874)読了174冊目:「北ビルマ、いのちの根をたずねて」

  吉田敏浩著、2000年3月・めこん発行、269頁、2200円税。目次は、「迎え火」、「天地始めの男と女」、「戦争と家族のいる風景」、「消えた人びと」、「越境者外伝」、「消えなかった眼(まなこ)の戦場」、「命の根を共にして」。本書は月刊「望星」(97年4月号~99年3月号)に連載した「根の国への旅」に加筆、修正したもの。「根の国」とは「死者の国」の意味。著者は北ビルマのカチン州で3年間、カチン民族解放軍と森の中で寝食を共にし、そこで悟り得たテーマが「自然の中での人間はじめ万物の生と死」。自然の恵みを命の糧とし、死んで自然に帰る肉体。そして戦闘、処刑、病気などによる日常的な死の行方、自らもマラリアで生死の境をさまよいながら、渾身の力で書き綴った異色の紀行文。著者は本書のほか、「森の回廊」、「宇宙樹の森」などを執筆。

2 件のコメント:

  1. 生死を超越した人生観を垣間見ることができ、異色の紀行文ですな。
    K.A.

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  2. K.A.さん
    樹木に囲まれた地で3年間も暮らすと、「生死を超越した人生観」という哲学も生まれるでしょう。
    著者の考えに何となく同調したくなります。

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