2013年6月3日月曜日

(1847)読了159冊目:「一中尉の東南アジア軍政日記」

  榊原政春著、1998年8月・草思社発行、390頁、2900円+税、この書籍の題名からすると、単なる一中尉だが、この「一中尉」が問題、1911年生まれ、東京帝国大学卒業後1941年11月、太平洋戦争開始の2週間前に南方軍司令部(サイゴン)に配属。彼は越後高田藩の16代当主であり、夫人は徳川慶喜の孫娘で、高松宮妃殿下の妹に当たる。昭和18年5月の帰還までに、日本占領下の東南アジア全域(シンガポール、フィリピン、ジャワ、マレー、スマトラ、タイ、ビルマなど)を回り、各地の軍政に関する詳細な見解を記録していた。ビルマに関しても各種産業について種々提案しており、シャン州を日本の属領にしたいとも。これらの夢は日本の敗戦によりすべてが消失したが、当時の大東亜共栄圏の夢がどのようなものであったかを知る上で貴重な資料だ。

2 件のコメント:

  1. 全く珍しい本ですな。
    87歳での出版ということは、「貴重な体験を、是非とも後世に残しておくべき…」との使命感からでしょうな。
    K.A.

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  2. K.A.さん
    87歳での出版・・・・・・ということをご指摘で初めて分かりました。すごい人物ですね。

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