2013年6月23日日曜日

(1867)読了170冊目:「変わりゆくのはこの世のことわり」

  副題は「マウン・ルーエイ物語」、ティッパン・マウン・ワ著・高橋ゆり訳、2001年3月・てらいんく発行、293頁、1714円+税。「マウンルーエイ物語」は著者の私小説である。彼は1899年に誕生、ビルマ王国は3回にわたる英緬戦争に破れ、全面的に英領となる。彼は1920年に開校したラングーン大学に入学、29年にザガインの見習い郡長となり、以後各都市の長に出世、最後は植民地政府の国防省次官となる。その間の家庭の話題、結婚問題、各地行政上の問題等をエッセイ風にまとめて、その都度雑誌に掲載した32編をまとめたのが本書。当時は反英運動もおこり、各地の行政の長に対する批判も多かったが、それとは関係なく、マウン・ルーエイ=ティッパン・マウン・ワの小説家としての評価は急上昇。英領時代のミャンマーの暮らしがよく描かれている。

2 件のコメント:

  1. ノンフィクションに近い、自分史小説ということかな。
    英領時代の高級官僚の考え方、暮らし方がわかり、興味津津ですな。
    K.A.


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  2. K.A,さん
    ご指摘の通りだと思います。
    1900年代前期のビルマの行政の在り方を知ることができ、貴重な資料だと思います。

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