馬場公彦著、2004年12月・法政大学出版局発行、228頁、2200円+税。「ビルマの竪琴」の著者竹山道雄(1903~84)は一高、東大卒業後、一高講師、同教授となり、戦後(昭和22年)にこの児童文学の傑作を発表した。一方、当時流行の左翼思想の見解に抵抗しつつ、旺盛な評論活動を展開した。目次は、①竪琴ができるまで、②精神の武装解除、③竹山の戦争責任論、④戦後知識人群像と戦争責任論、⑤「竪琴」にみる戦争責任の透視、⑥「竪琴」の波紋、⑦日英和解劇の中の「竪琴」、⑧東アジアの終わらない終戦処理、⑨竹山と「竪琴」を巡る戦後史。著者(馬場氏)は、このように戦争責任という硬く複雑な切り口で、「竪琴」や竹山氏の著作について解説している。その現実に直面するとき、「竪琴」を巡る戦後の旅はやはりまだ終わっていないという。
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「ビルマの竪琴」と戦争責任論とは、予想外で、かつ、なかなか興味あるテーマですな。
返信削除K.A.
K.A.さん
返信削除読んでいるうちに私も「大変なテーマだなあ」と感じました。多くの戦友が帰還しようとしているときに、各地に散乱していた白骨を一兵士が埋葬するために奔走するということ、確かに戦争責任を論じたくなります。