2008年12月7日日曜日

(210)難民キャンプ潜入記

(2008年12月7日)

  ミャンマー関連の新しい書籍が発売された。題名は「ミャンマー難民キャンプ潜入記」。吉岡逸夫書 解説熊切拓 発行:出版メディアパル 発売:高陵社書店 1260円。 熊切拓氏はご存知BRSAの副会長であり、また、ビルマ少数民族問題の第一人者であり、ときどき新聞にも登場している。今日 BRSAの会合で、この本を直接熊切氏からいただいた。吉岡氏の書かれた本文はとても興味を引かれるけれど後回しにして、私は最初に熊切さんの書かれた解説「ビルマ少数民族と民主化運動」のほうから読み始めた。20頁ほどの小論文で、一気に読むことができた。同氏は、ビルマ民主化を達成するには各州の民族自治権を強化する「真の連邦制」の実現が必要と論じている。私もかねてから同じような考えを持っていたが、疑問もあった。しかし今回の熊切氏の解説を読んで、胸につかえていたものが大方解消した。

10 件のコメント:

  1. まだ入手できていませんが、近いうちに必ず、と思っています。次回の現地入りの際は、お声かけ下さいますようお願いします。大川秀史

    返信削除
  2. 取り上げていただきありがとうございます。熊切

    返信削除
  3. 大川先生、
    私は昨日熊切さんからこの本をもらいました。この本を読むと難民キャンプ入りは、なかなか困難なようです。この本ではキャンプ入りの方法やキャンプの状況など詳しく書いてあり、とても参考になるかと思います。(N)

    返信削除
  4. 熊切さん
    この本をワクワクしながら読みました。本文も解説もとても参考になり、もやもやしてたことも大分すっきりしました。でもまだまだ分からない点があります。例えば、
    ①カレン仏教徒は、カレンキリスト教徒を攻撃したが、軍政に近い存在なのか?
    ②日本のカレングループは一つになれないのはなぜか?・・・など。(N)

    返信削除
  5. 多年の疑問点が大分解消し、ちょっとした「目から鱗が落ちた」感じ!?
    K.A.

    返信削除
  6. k.a.さん
    そうですね。「目からうろこが落ちた」感じですね。特に熊切さんは国境に4回潜入し、東京では少数民族に密着しているので、情報の確度が高い方です。吉岡さんは今まで知りませんでしたが、今回の書籍は熊切さんの情熱で赤く染まっているように感じました。(N)

    返信削除
  7. チョコ饅は肌が浅黒いから、メーサロンやメーサリアン辺りの難民キャンプで、タイ人スパイに間違われてミャンマー人に袋叩きに遭わないように願ってっけんども、多民族国家ミャンマーは、例えばイラクのフセインのような軍事政権が、開発独裁として強権を持って、まとめね上げねばならない訳だし、デモクラシーによってそれが崩れれば、たちまち国連の名を借りたグローバリゼーションの侵略と、中国の侵入がさらに深まる訳だっぺ。また、カレン族など反政府組織を裏で支えるタイの華僑問題を含め、川の河口に噴出する難問に対処するのではなく、川の源流にある根源的な問題を解決しなければ、このミャンマー問題は解決しないっぺよ。それは今尚残る旧宗主国の英国のプレゼンスやら、経済封鎖を行った国連を初めとする世界構造の事だっぺ。チョコ饅よ、東大出たなら、本丸の国連改革を目指しなさい!祖母より

    返信削除
  8. 今は亡き祖母からのコメントありがとうございます。おっしゃることはまさしくそのとおりです。ビルマの民主化より先に中国の民主化がなくては、何一つ変わらない。だけど、この民主化のうちには、中国人のもつ「周辺異民族を利用して国をまとめる」という考え方というか強迫観念からの脱却が含まれていなくてはならず、これはただ単に国の政治システムを民主的にするのとはわけが違って、難しい。
    それと、ビルマの民主化は世界的な構造と結びついているとのことですが、確かにそうです。ただ、ビルマの民主化活動をしている人で、そこまで考えている人はそれほど多くはないです。これもまた問題。

    返信削除
  9. チョコ饅ちゃん、礼には及ばないよ。

    だっけ、『~民主化のうちには、中国人のもつ
    「周辺異民族を利用して国をまとめる」
    という考え方というか強迫観念からの脱却が
    含まれていなくてはならず~』って部分、意味不明だっぺよ。

    推測だっけんが、中韓の反日政策や、
    冷戦時代に米国がソ連を敵に据えたように、
    外部に敵を作る事で、自国のナショナリズムを煽って、
    国をまとめる方法の事かい?
    中国の歴史的な東夷北荻的な中華思想の素地と、
    それからの脱却が「民主化」とどんな関係があるんだべ?
    外敵を利用して国をまとめる米国も韓国も、
    いちよう立派な(?)民主国家だっぺよ。

    私が付け加えたいのは、ミャンマーは未開発な、
    「地下資源大国」という事実で、グローバル化勢力は、
    ミャンマーを市場化したいが、軍政が邪魔な訳だっぺ。
    だから国内に宗教や民族対立を作って、社会を不安定化して、
    政府に圧力をかけたいんで、国民の大多数が仏教徒の国で、
    本来「宗教対立」が起こる事体が不自然だっぺよ。

    また、中国にとってミャンマーは、
    地勢的にインド洋に通じる重要な場所で、
    雲南省からインド洋までパイプラインを敷きてえだよ、中国は。

    国内外に潜伏するミャンマー民主化勢力は、
    スーチーを崇め、国連を崇め、
    まるで再び「欧米の植民地」になる事を望んでるみたいで、
    歯がゆいだよ。(祖母in heaven)

    返信削除
  10. チョコ饅が、ミャンマーを「ビルマ」と呼ぶのが少し気になるだよ。

    おそらく、今の軍政が付けた名だからという理由で、
    ミャンマー民主化運動の面々も、ビルマの呼称に固執してるようだけんど、
    それが英国植民地時代に付けられた名前という事実は許すんかい?
    当時、英国による支配で、国体は破壊され、間接統治に苦しんだミャンマー国民が、
    どれほど英国を憎み「独立の執念」を燃やしたか、その歴史は忘れてしまったんだっぺよ。

    ミャンマー問題を語るなら、大学生やジェトロの職員レベルじゃ困るっぺよ。
    少し失望したけんども、もっと学術的な知識や原理原則に囚われず、
    もっと無条件に「リアリスム」で把握するだよ。
    特に政治はそうだっぺよ。

    例えばだけんども、マキャべッリは「亡命者は信用するな」と言ったっぺ。
    亡命者は自分を美化し都合のいい事しか言わないもんだべよ。
    背景や利害関係を現実的に多角的に考察するだよ。

    厳しい事言ってすまなんだが、これが最後だから堪忍しやっしぇ。
    ご健闘を草場の陰から祈ってるだよ。

    返信削除