2012年8月22日水曜日

(1562)読了115冊目:「ビルマ脱出記」

  「ビルマ脱出記」、副題は「外交官の見たビルマ方面軍壊滅の日」、著者は田村正太郎(元大東亜省ビルマ大使館員)、1985年1月・図書出版社発行、254頁、1500円。著者は陸士予科卒業と同時に病気退校、外務省に入りビルマ日本大使館勤務という変わった経歴の持ち主。敗戦の兆候の濃かった1943年に着任、インパール作戦などに触れているが、外交官から見た敗戦は他の戦記物と違う。何しろ外交官(本人を含め)は戦地でも優雅に暮らし、連日仲間と酒を飲み、マージャンを楽しんでいた。また軍の最高司令官であるK中将は、ラングーン脱出の際に「ブルブル震えてろくに声も出ない有様」とあった。多くの戦記物を読むと、ビルマ敗戦の主な原因はインパール作戦にありとしているが、著者はむしろ方面軍司令部のラングーン早期撤退だと断じている。

2 件のコメント:

  1. これはまた貴重というか、珍しい本ですね。

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  2. stさん
    確かに貴重な本だと思います。多くの兵士が死闘を繰り返している傍らで、酒を飲み、優雅に暮らしている外交官という観点からも。(N)

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