2009年3月4日水曜日

(297)ASEAN ビルマに踏込めず

(2009年3月4日)
  一昨日の新聞だが、各紙は一斉にASEAN首脳会談の結果を報じた。その骨子は、人権機構の年内創設などとともに「ビルマの政治犯釈放と来年の総選挙へのすべての政党の参加」を呼びかけたとある。さて、ここで問題なのは、スーチー女史の名前を出さないで単に政治犯の釈放としたことと、来年の総選挙の実施を認めてしまっていることであろう。軍事政権が難色を示してきた人権機構の発足合意を優先した結果と見られている。そもそもASEAN憲章には、「内政不干渉」「全会一致」の大原則があり、反対する国が一国でもあれば議論は進まない。ASEANはEUを真似てスタートし、2015年には域内統合を完成させるという。しかし今回のビルマ軍事政権の出方を見ると、そしてビルマに引きずられて内政不干渉を盾に人権問題に対し躊躇している各国の姿勢を見ると、共同体など絵に描いた餅ではなかろうか?

2 件のコメント:

  1. 「政治犯釈放」が入っているので、一応、改善と見るべきかな?
    徐々ながらも、絶えず前進して欲しいですな。
    K.A.

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  2. k.a.さん
    そうですね、一歩前進かも。人権機構の年内創設も前進でしょう。近く開催されるASEAN+3での日本側の発言が注目されますね。(N)

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