2013年4月28日日曜日

(1811)読了149冊目:「ビルマ最前線(1)」

  著者は宮部一三、昭和55年(1980年)7月・叢文社発行、280頁、1500円。著者は入営後士官学校を卒業、少尉として活躍。ウインゲート空挺部隊との交戦、ミットキーナ救援、クレ高地の死闘、メイクテーラ会戦等、敗色濃い友軍の救出作戦に力を注いだ。その各時点での戦闘内容とともに、兵士らが作った短歌などの辞世の作品を紹介している。また終戦間際に投下された数多くの投降勧告ビラの内容紹介は詳しい。無条件降伏後の収容所生活も赤裸々に記されている。特に現地ビルマ人の親切さにはホッとさせられる。圧巻は現地で戦争犯罪人として指名された人々の獄中の叫びだ。あまりにも杜撰な戦犯指名方法には憤りを感ずる。この物語は、収容所でひそかにトイレットペーパーに書き残した一下級将校の初公開作品だ。続編も読んでみたい。

2 件のコメント:

  1. 杜撰な戦犯使命方法の結果、間違った判決も多かったでしょうから、「獄中の叫び」は、全く悲憤慷慨ものですな。
    K.A.

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  2. K.A.さん
    その通りだったと思います。私は東京裁判(A級戦犯の裁判)に何回も傍聴したが、しょせんは戦勝国による一方的な裁判、現地で行われた裁判等は杜撰そのものと思われます。

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