会田雄次著、1988年11月・中央公論社発行、中公文庫、234頁、定価360円。著者は1943年にビルマ戦線に送られ、戦後2年間、英軍捕虜としてラングーン近郊のアーロン収容所に収容された。その内容は、1973年に発行された「アーロン収容所」に掲載されたが、本書はその後1974年、著者が戦争の際たどったビルマ各地を、26年ぶりに再訪した。著者が苦労した収容所付近はすっかり変わっており、建造物などはっきり思い出せない場面もあった。しかしビルマ人は本質的に変わっていないことに気づいた。彼らは当時もいまも、親日的であった。歴史家としての冷めた感慨を込めて、ビルマあるいはビルマ人への熱い想いが、随所に綴られている。心情的かつ客観的なビルマ論と言える。この2冊を並べて読むと面白い。いずれも文体は平易で読みやすい。
2013年10月27日日曜日
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26年ぶりの再訪とは感慨深いでしょうな。
返信削除相互の親愛感情の不変が、確かめられたのは大変嬉しい。
K.A.
K.A.さん
返信削除ミャンマー人の親日感情が続くのは、私にとっても、嬉しいことです。私もその一翼を担いたい。