2012年9月25日火曜日

(1596)読了123冊目:「我が祖国」

 著者はキンスエウー、訳者は田辺寿夫、ビルマ叢書文学編①、1982年6月・勁草書房発行、262頁、定価1500円。トゥエとミイは仲良しのいとこ同士の女の子、トゥエには長兄と次兄がおり、この二人がアウンサン将軍の率いる30人の志士のメンバーとして登場している。彼らはビルマ義勇軍として日本軍と一緒に英印軍と戦い、日本軍が独立を認めないと見るや日本軍に反攻して、48年には独立を勝ちとった。しかし、その後共産党の反政府武装抗争、カレン族はじめ少数民族の反乱などが続き、軍人としての長兄、次兄の活躍が続く。そしてそれを見守るいとこのミイたちの日常生活が経糸として描かれており、一方ビルマはどのようにして独立を勝ち得たのか、これらを題材として戦う兄弟を横糸に混然と織りなす大歴史小説である。最終章があまりにも悲しい。

2 件のコメント:

  1. 面白そうだけど、「終わりよければ、すべてよし」の逆なので、
    誠に残念!
    K.A.

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  2. K.A.さん
    小説というのは、悲劇のほうが感動を与えるようです。「終わり悲しければ、すべてよし」という格言はなかったかしら。

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