2012年6月26日火曜日

(1505)読了107冊目:「ビルマの竪琴」

  竹山道雄著、1959年4月・新潮社発行(新潮文庫)、233頁、定価320円。著者が第一高等学校(東大教養学部の前身)の教授時代の作品で、児童向けのもの。しかし、ビルマ関連書籍としては余りにも有名過ぎて、拙著「101冊あらすじ集」の第1集に入れるのをつい忘れてしまった。私はこの書籍を読んだ記憶はないが、市川昆監督による2回の映画(56年、85年)やテレビ、舞台演劇などを見てストーリーは理解していた。終戦の際、ビルマ戦線で英軍の捕虜になった日本の兵隊たちが、間もなく帰国する日が近づいてきたが、一人だけ帰らない兵士がいた。戦友たちが合唱する「はにゅうの宿」の歌声に合わせて、僧衣の彼は竪琴を取り上げ激しく打ち鳴らした。戦場を流れる兵士たちの歌声と竪琴の音に、国境を越えた人類愛が胸を打つ素晴らしい作品だ。

2 件のコメント:

  1. 出版後50年以上経過したとはとても思えない程、今でも新鮮ですな。
    K.A.

    返信削除
  2. K.A.さん
    私はこの作品が児童向けとは知らなかった。そして著者がビルマに行ったことがないことも。
    でも日本人の多くは、「スーチーさん」と、この「ビルマの竪琴」でビルマを知るようになったと思う。考えてみるとこの本は素晴らしい名作なのだ。(N)

    返信削除