2012年6月12日火曜日
(1491)読了105冊目:「ビルマ戦中日記、死と生」
著者は林禮ニ、2012年3月・連合出版発行、207頁、2200円+税。著者は1941年東京帝大哲学科卒、翌年見習士官となる。1章:常に理性的であれ、2章:身を持するに冷厳なれ、3章:何よりも道徳的であれ、4章:何よりも善き人間たれ、5章:高潔と続く。私はビルマ戦記をいろいろ読んだが、哲学書はもちろん初めてなので恐る恐る読む。通常の戦記物と同じく各地に転戦するが、参謀部勤務が多く、情報将校として活躍するも終戦、捕虜として各地収容所を転々、復員業務に従事し、最後の復員船でラングーンを後にする。その合間合間に哲学を考え、紙面の半分以上は、堅苦しい文体が続いている。死とは、生とは、国家とは、人間とは。著者は最後に「哲学は現実世界を否定して成立するものである。哲学者は現実世界においては死んだ人間である」と。
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「哲学者は現実世界においては死んだ人間である」との言葉は、戦争体験を含めた70余年の現実生活からの総括として、なかなか重みがありますな。
返信削除K.A.
K.A.さん
返信削除哲学者の言葉というのは、私には分かるようで分からないですね。(N)