2012年7月10日火曜日
(1519)読了111冊目:「ビルマの風鐸」
副題は「日赤従軍看護婦が見たビルマ最後の日」、「太平洋戦争深発掘」、著者は福田哲子(元日赤ビルマ従軍看護婦広島班婦長)、1996年11月・叢文社発行、271頁、1800円。この本は、「重傷は捨てて逃げよとの命令を聞きつつ背負いき足なき兵と」という短歌に始まる。第1部は和歌山日赤救護班、第2部は同広島班の苦難の退却の様子をまとめ上げたドキュメントである。一班は二〇人の看護婦から編成されている。医療設備がなく、武器もなく、食料もない状態での逃避行であり、かつ、制空権が完全に英軍側に奪われ、連日のような空爆、そして豪雨との戦いでもあった。現地で終戦を迎え、英軍の施設で手厚い介護を受けた状況も明らかに描かれている。また現地ビルマ人が親日的であったことにも救われる。今の若い女性たちに読ませたい一冊。
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若いとは言えないアレですが、読んでみたいです(笑)
返信削除戦記物は筆者が男性のものがほとんどですからね。
貴重な話ですね。
stさん
返信削除この本には、心に訴えるものがあり、従軍看護婦ものをさらに数冊読むべく図書館に依頼してます。(N)