2013年11月24日日曜日

(2021)読了210冊目:「インパール」

  高木俊郎著、1968年8月・文芸春秋発行、302頁、480円、著者は従軍記者であり、インパール作戦に関しては、本書のほかに、「抗命」、「戦死」、「全滅」、「憤死」など 全部で5冊出版している。この「インパール」では、第33師団(師団長:柳田中将)に焦点を当て、インパール作戦の愚かさを丹念に調べて記録している。例えば、インパール攻略作戦で苦戦が続いている最中、第15軍司令官の牟田口中将は、柳田師団長を解任し、極めて無礼な態度で呼びつけた。この一事を見ても、日本軍の敗戦は明らかであった。制空権を失い、補給線を軽視した 杜撰な作戦により、歴史的敗北を喫し、日本陸軍瓦解の発端となった。特に若い兵士たちは、何もわからぬまま、戦死し、病死し、自爆した。彼らは無謀な指揮官の犠牲者であるという 真実を追求したドキュメント。

2 件のコメント:

  1. 従軍記者の記事だから、極めて正確な事実でしょう。
    無謀指揮官の犠牲者に、慎んでお悔み申し上げます。

    K.A.

    返信削除
  2. K.A.さん
    軍隊の世界では、将校と兵士の間の格差があり過ぎます。

    返信削除