2012年3月19日月曜日
(1406)読了91冊目:「茶色い犬」
「茶色い犬」、ミンヂョー著、河東田静雄訳、1984年12月・勁草書店発行、(東南アジアブックス#66)、267頁、1700円。奇妙な書名だが、これは著者(1933年生まれ)自身の幼少期の通称であり、著者の15歳までの自叙伝である。父はBOC(ビルマ石油会社・英国企業)で働いていたが、ビルマ独立を夢見ていた。父を亡くした後、母は懸命に働き一時財を成したが結局は失敗、母子で苦難の道を歩むことになる。この間、日本軍の空襲など悲惨な経験を重ね、本人は仏陀の世界に入るが暫くして還俗した。その後、読書や友人からの情報で、自国における政治状況を知り、仲間と反英闘争にはいる。学校の勉強を重ねながら、植民地とは、戦争とは、多くを学び成長していった。15歳といえば日本ではまだ中学生、彼の生き様には教えられるところが多く傑作だ。
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16歳以降の成長ぶりが知りたいですな。
返信削除K.A.
k.a.さん
返信削除その後、著名な作家になったようです。詳細不明。