(2010年7月16日)
昨日に引き続きこの本の書評を・・。序章で「ビルマ」か「ミャンマー」か、この国の国名を最初に取り上げているが、うまい導入方法だと思う。結局筆者は「ビルマ」が正しいとしているが、現在のビルマの諸問題の一端がこの国名問題にも現れている。参考までに、私も「ビルマ」を使うことが多い。ビルマでは民主化運動の陰に隠れているが少数民族闘争もあり、筆者はその代表例として「カレン民族」を取り上げている。ビルマ族対カレン族の闘争に彼自身が従軍し、また国境の難民キャンプにも何回も潜入しており、二つの民族の対立の原点をやさしく解説している。次章では、筆者が厳しい監視の目をかいくぐり、軍事政権下に生きる庶民を訪ね歩いた様子が記されている。筆者の文章力は明快で分かりやすく、その上得意の写真をふんだんに活用しているので、最近のビルマ紹介本としては最高レベルのものであろう。
大変な危険を冒し、豊富な写真入りでの本書は、ビルキチ必読の書のようですな。
返信削除すばらしい!
K.A.
k.a.さん
返信削除苦労して取材した分、迫力が生じますね。
何回でも読み返したい本です。(N)