2013年6月30日日曜日

(1874)読了174冊目:「北ビルマ、いのちの根をたずねて」

  吉田敏浩著、2000年3月・めこん発行、269頁、2200円税。目次は、「迎え火」、「天地始めの男と女」、「戦争と家族のいる風景」、「消えた人びと」、「越境者外伝」、「消えなかった眼(まなこ)の戦場」、「命の根を共にして」。本書は月刊「望星」(97年4月号~99年3月号)に連載した「根の国への旅」に加筆、修正したもの。「根の国」とは「死者の国」の意味。著者は北ビルマのカチン州で3年間、カチン民族解放軍と森の中で寝食を共にし、そこで悟り得たテーマが「自然の中での人間はじめ万物の生と死」。自然の恵みを命の糧とし、死んで自然に帰る肉体。そして戦闘、処刑、病気などによる日常的な死の行方、自らもマラリアで生死の境をさまよいながら、渾身の力で書き綴った異色の紀行文。著者は本書のほか、「森の回廊」、「宇宙樹の森」などを執筆。

2013年6月29日土曜日

(1873)ラカイン州民族対立 衝突1年避難14万人

   6月29日の朝日。標記の見出しのほか「イスラム教徒 州都脱出」、「憎悪膨らます仏教徒」と続く。シットウェ―中心部から車で20分、武装警官隊が駐屯するゲートがあり、その先は「仏教国ミャンマー」の雰囲気は一変、白い帽子、ひげの男性、スカーフで頭を覆う女性、すべてがロヒンギャ―の人たちだ。昨年6月の衝突の際、ロヒンギャ族は全員この地区に逃げた。今なお避難民キャンプで生活し、一帯はロヒンギャの大居住区と化した。衝突前のシットウェ―の人口の3~5割がロヒンギャ族、だが両民族が混在する地区は、衝突で家屋がほとんど焼失、広大な土地は放置されたままだ。住民を帰還させれば再び衝突が起きる懸念がある。ロヒンギャに対するラカイン側の憎悪は高まる一方だ。州政府高官の一人は「今は民族を分断して治安を守るしかない」と。

2013年6月28日金曜日

(1872)ミャンマー入札 KDDIは落選 携帯電話事業

   6月28日の朝日・日経電子版。ミャンマーの携帯電話事業への新規参入者を決める入札で、テレノール(ノルウェー)と、カタールテレコムが事業免許を獲得した。事業参入を目指していたKDDI・住友商事連合、フランステレコム・丸紅連合(3位)は落選した。テレノールなどは、今後通信回線や基地局などのインフラ整備を進め、2015年までにサービスを開始する計画。ミャンマーは人口6千万人超で、携帯電話事業は政府系2社が手掛け、普及率は1割程度、政府は16年までに8割へ引き上げたい考え。目標達成のために国営企業の独占事業を外資に開放し、インフラ整備と通信料引下げを加速する方針。なお免許を取得した2社は今後数千億円規模の投資が必要とみられる。なお、ミャンマーの固定電話の世帯普及率は3%、インターネットも1%にとどまる。

2013年6月27日木曜日

(1871)読了173冊目:「現代ビルマ(ミャンマー)語文法」

  岡野賢二著 2007年10月・国際語学社発行、175頁、2800円+税。目次は、第1章:ビルマ語の音声・音韻、第2章:ビルマ語の文字と綴り、第3章:動詞文と名詞文、第4章:補語と格助詞、第5章:疑問文、第6章:特別な機能を持つ名詞類、第7章:その他の陳述文、第8章:勧誘・許可求め・祈願、第9章:周辺的な補語と格助詞、第10章:格名詞、……途中省略……第17章:数の表現、第18章:名詞の構成1、第19章:名詞の構成2、第20章:副助詞など、第21章:様々な述語形式。本書は著者が東京外語大学ビルマ語専攻の文法の授業の際に作成したレジュメを基に加筆・訂正をしてまとめたもので、ビルマ語文法の初級から中級レベルの内容という。この種の教科書に対しては当然のことながら読者が徹底的に学習する情熱を持つことが大切である。

(1870)読了172冊目:「いのちの森の人びと」

  副題は「アジア・北ビルマの山里にて」、吉田敏浩著(フリージャーナリスト)、2001年3月・理論社発行、Ⅰ65頁、1500円税。目次は、第1章:初穂狩りと稲の魂、第2章:森と焼畑の恵みに生かされて、第3章:呼べば応える二人の歌声、第4章:遥かな時をさかのぼる祭、第5章:精霊は森からの使者、第6章:狩人たちと手長猿、第7章:死者が行く山の中のあの世、第8章:自然の大いなるめぐみ。著者はカチン州の北部山地に1年間滞在して村々を歩き、森の恵みを受けて生きる人びとと触れ合い、一緒に暮らした。カチンの住人から、囲炉裏端でむかし話を聞き、みんなで焼畑に出かけ、豊作を祈る祭、あるいは結婚式、お葬式にも参加。そのとき見聞したこと、体験したことをまとめている。子供でも読めるやさしい文体であり、24頁ものカラー写真も嬉しい。

2013年6月26日水曜日

(1869)ミャンマー関連もろもろの話題

  6月26日のYahoo!ニュース。◆米誌タイム7月号の特集記事「仏教徒テロ」にミャンマー人が反発、発禁処分に。◆日本政府はミャンマーと陸上輸送分野で協力。◆英紙フィナンシャル・タイムズは「ミャンマーを失った中国は反省すべき」の記事掲載。◆韓国がミャンマーに「セマウル運動」の経験を伝える「ヤンゴン川の奇跡」実現に助力。◆三菱UFJがミャンマーほか数カ国に違法送金したため、NY州に240億円の和解金支払い。◆安倍首相参院選後にアセアン訪問、また12月には日本でアセアン特別首脳会議を。◆ミャンマーは今週通信免許(2枠)を発行。法は未整備。◆中國の華為(ファーウェイ)がミャンマーの通信産業に32億円投入◆鉄道改修工事は日本企業が受注30年までのインフラ投資は30兆円。◆韓国政府ヤンゴン川以南の開発に乗出す。

2013年6月24日月曜日

(1868)読了171冊目:「現代の奴隷制」

  副題は「タイの売春宿へ人身売買されるビルマの女性たち」、藤目ゆき監修、編集者:アジアウオッチ、女性の権利プロジェクト、ヒューマンライツウオッチ、訳者:古沢加奈、アジア現代女性誌1。2006年11月・明石書店発行、258頁、3000円+税。人身売買によってタイに連れてこられ、性的奴隷として働かされている何千人ものビルマの女性たち。その実情を、30人の女性と少女へのインタビューから得た情報をもとに学術的に紹介している。彼女らの家庭はいずれも貧しく、斡旋屋の甘言によって40~800ドルで人身売買される。タイに連れ出されて一度売春宿に入れられると、逃げ出すこともできない監視下に置かれ、1日に10人以上の客をとっても、借金は返せない仕組みとなっている。警察も入管も頼りにならないこの仕組みを明らかにし世に訴えている。